| 2008年の早春、我が家のネコ(当時8歳♂)は、慢性腎不全、慢性膵炎、肥大型心筋症と診断されました。 腎数値の最高値は、BUN/135.7(17.6〜32.8)、CRE/10.0(0.8〜1.8)、IP/10.9(2.6〜6.0)でした。 ()内は正常値です。以下、当時の治療と経過です。
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【最初の病院で】 入院治療/通算18日間 ・慢性膵炎 : 絶食3日間×3回、薬(フォイパン、ステロイド) ・慢性腎不全 : 静脈点滴(ソルラクト)、1回だけ利尿剤(たぶんラシックス) ・肥大型心筋症 : エナカルド、ヘルベッサー、ペルサンチン ・黄疸 : ウルソ ・その他 : バイトリル、ガスター、ホリゾン、鼻腔カテーテル
当時は聞くこと全てが???の連続、診断は「〜であろう」なのに、どんどん治療は進みました。なかなか理解でき ない(受け入れられない)ことで、疑心暗鬼になり、転院先を探しましたが、腎数値が高値な上に肥大型心筋症との 診断に「今動かすのは危険、その治療は最善、予後はよくないと思って覚悟」と断られました。
腎数値は一向に下がらず、「もう入院は限界、病院で出来る治療はなく高値安定と考えて自宅治療」となりました。 退院時の腎数値は、BUN/90.8(17.6〜32.8)、CRE/6.3(0.8〜1.8)、IP/6.0(2.6〜6.0)、HTC16.3(30〜47)でした。 その日の朝に血尿が出たそうです。その2日後に腎数値がいっきに下がりました。
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【自宅治療】 ・皮下点滴、皮下注射(エスポー) ・心臓薬 輸液とエスポーは、1ヶ月ほどで一旦中止となり、以後1ヶ月に1回、血液検査と心臓薬をもらいに4ヶ月ほど通院 を続けましたが、どうしても心臓だけは確定診断をしたくて、セカンドオピニオンを求めて転院をしました。
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【転院後】心臓の確定診断と、結石除去手術はそれぞれ別の大学病院を紹介されています。
●心臓の確定診断は、「一時的な心筋肥大、よって肥大型心筋症ではない」でした。 ※心臓薬は急には止められません。必ず獣医師の指示の元に徐々に止めていきます。
●腎臓は、右は腎結石、左は低形成でした。 「腎結石は、腎臓にある内は温存」と言われました。 心臓薬を徐々に止めている最中(1ヶ月ほど経過)のある日、尿の色が微妙に変わったような気がしました。 色の変化は気のせいかな?と思う程度、尿量もあり、排尿困難な様子は全くありませんでした。 心配し過ぎは良くないけれど、気のせいなら笑って帰ればいい、、、そう思って病院へ行きました。
腎数値は正常でしたが、極微量の血尿が検出され、右側の腎臓が水腎症になっていました。 造影検査の結果、右の腎結石は尿管の方へ移動していて詰まりかけの状態、どちらの腎臓も完全に閉塞 してはいないものの流れは細く、腎盂は正常の形をしていないとのことでした。 結石除去手術は一時的に急性腎不全の状態となる為、もう片方の腎臓が正常であれば問題ないのですが、 当猫の場合は左も低形成で尿の流れが細い為、術後に「重度の慢性腎不全になるリスク」をかけなければ なりませんでした。もし低形成の腎臓が耐えられなかった場合は、一時的に腎臓にカテーテルを通して尿を 出せるようにする、ただし、術後の癒着(閉塞)を防ぐためにずっとはできないと言われました。
●結石除去手術 手術直後に造影検査をし、腎臓の閉塞の有無を確認しました。 入院中の治療は、静脈点滴(ソルラクト/ソルデム+カリウム)、ドパミン、パセトシン 血液検査は1〜2回/1日し、点滴内容などを適宜変更する、といった印象でした。
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当猫は、腎結石(腎後性腎不全)による急性腎不全だった思います。 現在は、腎数値、尿比重共に正常値を保ってはいますが、軽度の慢性腎不全であるとの診断です。 除去した結石の成分はシュウ酸カルシウムでしたが、最近はストルバイト結晶も出て、悩みはつきません。 とはいえ、当猫はぴんぴんしています。我が家で一番元気です♪
現在かかりつけの獣医師さんは(大学病院で研修医をされています)、当猫の後に「腎臓の結石除去手術の症例が 増えた」と仰っていました。
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