05/01(木) ケー 栄養チューブ10 
 睡眠中のご飯、少なめ。昨夜腫れていた右手は治っていた。良かった。

 朝、薬飲ませた直後にケー。朝から悲しい。 

 何度もご飯の匂いをかぐが食べない。猫缶をたくさん開けてみたが、食べない。鯛の刺身も食べない。飽きちゃったのか。夜遅くなってから、なまりを少し食べた。栄養チューブは舐めている。

 栄養チューブ10本目。

 05/02(金) 通院 2.85kg 37.9℃ 右目失明 ほとんど食べない 
 睡眠中のご飯、そこそこ。

 いつも通りの日。3:10pmにトイレに行って、帰りに栄養チューブをべろんちょしてシェルターに戻っていった。何も変わったことはなかった。約30分後、「うあ〜ん」と鳴いてシェルターから出てきて、前庭で箱座り。顔を見て驚いた。右目が腫れあがって涙でびしょびしょ、開かなくなってた。即効バッグに詰めて病院へ。4時になったら行こうと思っていたところだったので、ちょうどよかった(よくないが)。

 バッグに入れられるときには元気な声で「あお〜ん」と抗議したが、入ってしまってからは、ぐったりと横に寝たまま。待合室で私の膝の上に抱かれているときも、全然動かないでぐったり。眼が腫れて開かないので、ものすごく具合が悪そうに見える。診察台に乗せても、腰砕け状態でぐにゃぐにゃ。支えてないと、どすんと倒れそう。体重は50g減って2.85kg。体温は37.9℃。

 目は角膜が炎症を起こして腫れているが、眼底出血はしていない。出血がないのは良かったが、光への反応もなくなっていた。とうとう右目も失明してしまった。完全に真っ暗なんだろうか。昼も夜も分からないんだろうか。生きててくれるだけでいいとは思うが、やはり悲しい。
 抗生物質を点眼薬と、いつもの内服薬にも少し足して処方してもらった。肝臓への影響は大丈夫か?

 病院から帰ってくるなり、ご飯を少しだけ食べた。なんだ、元気じゃん.。あとはシェルターの中でこんこんと眠る。

 夕方まではなんとなく元気そうだったのに、夜になるにつれてどんどん具合が悪そうになってきた。動かない、鳴かない、ご飯を食べない。おしっこは全部、シェルターの中で寝たまましてしまう。これはよっぽど具合が悪い。目はほんの少しだけ開いたが、まだまだ腫れてて痛々しい。お水さえぜんぜん飲まない。口の横からお水を哺乳瓶で少しずつ流し入れたが、すごくいやがる。断念。

 ずっと身体の左を下にして寝たまま動かないので、寝返りを打たせてやったら、様子が変になった。枕からわずかに頭を浮かせたような感じ。頭が定期的にかくんと動く。電車で居眠りしている人みたい。かくんとなる度に、腫れていない左目を薄く開ける。眠れないみたいだ。痙攣発作が起こるんじゃないかと不安になって、じっと見ていた。しばらくかくんかくんを繰り返していたが、そのうち箱座りになって、そうしたらかくんもなくなった。右を下にして寝るとなる?右目が痛くて、まくらに顔をぺったりつけられなくて、少し浮かしていたのかも。そして眠りそうになると頭が落ちてしまい、痛いところが枕に触って起きてしまうのか。30分ほど箱座りのままにしておいて、今度は左を下にして寝かせたら、熟睡。ああ、同じ姿勢でずっと寝てると血行が悪くなって、また手がむくんだりするのになあ。でもしょうがない。そういえば涙を拭くときも、本当にそっとしか触ってないのにいやがっていた。右眼の横、顔の外側。ちょうど寝ると枕に触るところだ。

 病院から帰ってきてすぐに食べたご飯も、計っても数字が動かないくらい少しだった。今日は起きてから全然食べていないことになる。かつおのお刺身も食べなかった。明日は大丈夫になるんだろうか。心配。

 05/03(土) ケー とうとうご飯0g 
 ごろんと横になっているだけだったいっちゃんが、早朝、私が布団に入ってから動きがあった。自分で王様ご膳からお水を飲んでいるのを2回目撃。よかった。トイレも3回、自分で行った。前脚だけトイレに入れて、後脚はソファに乗っかったままするから、おしっこはみんなソファの上。なにやら半端な気力だが、それでもいい、そのためにペットシーツを敷いてある。夜のうちは王様シェルターの中で寝たまましていたんだから、少しは気分がよくなったのだと思いたい。

 睡眠中のご飯、全く食べていない。食欲までは無理だったか。昨日の4:30pmから食べていないことになる。右眼は半分くらい開くようになった。抱っこしたら、口元に涎。先生に電話して、眼とご飯のことを報告。栄養チューブは舐めているので、そのまま様子を見て、体温を測っておくように指示された。いっちゃんの平熱からみて、37.5℃〜38℃くらいだったらいいが、それよりかなり高かったり低かったりするようだったら連絡することに。

 12pm〜1pm 皮下輸液、薬、栄養チューブ、目薬。薬を飲むとき、昨夜ほど抵抗しないので、あっさり終了。具合が悪いからかと思い、こうなってくると「抵抗してくれ」と思ってしまう。栄養チューブは嫌がらずに舐めてくれる。

 1:30pm 検温 36.5℃ 計り方が悪いのかと4回計ったが、一番高いときでこの体温。先生に電話。今、様子が落ち着いているのならそのまま様子を見るようにとのこと。今日は夏日で私には暑いくらいだが、いっちゃんには布団をかけた。じっとしてるので暑くはないだろう。少しでも血行が良くなるように手足や身体をさすった。

 3pm 栄養チューブ

 4pm シェルターから出てきた。ご飯の前で立ち尽くしている。口元にお水やご飯を持っていっても食べない、飲まない。トイレに入れてやったが、ただ立ち尽くしているので、目薬をさしてからソファに戻した。それまで「微動だにしない」という風情でシェルターの中で横になっていたので、動くとほっとする。鳴き方も、さっきまでは蚊の鳴くような声で「ん」とか「ふ」とかだったが、少し元気そうになって「わ〜ん」だ。

 4:15pm またソファから出てきた。もう5時間以上おしっこしていないので、トイレに入れてお腹を触ったら、膀胱がパンパンになっている。そっと撫でたら、すぐにおしっこした。

 眼がはっきりと開いていた。一瞬喜んだが、薄い血の帯が眼球の中にある。三たび先生に電話。このまま様子を見るのなら、連絡いただかなくても大丈夫です、もし何かしたほうがいいのなら電話くださいとメッセージを入れた。先生はすぐ電話をくれたが、できることは止血剤の注射だけで、内服薬にも止血剤は入ってますとのこと。静脈点滴はどうですかと訊いたら、点滴じゃ出血は止まらないと言う。いえ、そうじゃなくて・・。質問を変えた。こんなにだるそうだったり、ご飯を全然食べないのは眼のせいだけなんでしょうかと、訊いてみた。違うと思います、と先生。全身症状のひとつとして、眼の腫れや出血があるんでしょうとのこと。だったら静脈点滴しなくていいの?これをどういうふうに訊こうかと考えていたら、先生が「もし心配だったら、明日、午前中は診療していますから診れますが」と言った。てっきり、明日は休診日だと思っていた。それならいいや。明日病院へ連れて行って眼を見てもらって、そのとき血液検査の事を聞いてみよう。もし数値が悪くなっていたら、点滴したほうがいいですよね、と切り出せる。

 5pm 栄養チューブ、検温 37.3℃ 37度台になった。よかった。しかしまた涎が出ていた。

 5:30pm シェルターから出てきてご飯の前で立ち尽くす。口をくちゃくちゃ。ご飯を食べたいのか吐きそうなのか分からない。かつおのお刺身を口元に持っていってもいやがる。そうこうしているうちに、口のくちゃくちゃが早くなった。間違いなくケーです。そのままだとご飯の上に吐くことになるので、抱っこしてトイレに入れた。全身を緊張させて、ひどく苦しそうに2回吐いた。さっき舐めた栄養チューブがみんな出た。かわいそうで、台所で泣いた。

 5:45pm 起きてから始めてお水を飲んだ。こんなことでもうれしい。

 6pm またシェルターから出てきて小さく鳴いているので、栄養チューブをやったらべろべろ舐めた。さっき吐いたばかりなので3ぺろだけ。吐いたばかりのものと同じ味をよく食べられるな。猫ってすごいと妙なところに感心した。でもとってもいいことだ。

 7pm 目薬。 2本目の目薬をさすのに、5分くらいおかなくちゃいけない。その5分の間に、抱っこしてベッドに連れて行って、強制添い寝をお願いした。ちょうど5分くらいで我慢の限界らしく立ち上がってしまったので、目薬をさしてソファに戻したら、すたこらとシェルターの中へ。そんなにいやだったんかい。去年の今頃までは、毎晩一緒に寝ていた仲だったじゃないか。
 栄養チューブ 4ぺろ。

 7:30pm 催促されたのでまた栄養チューブ。吐かないように1ぺろだけ。お腹がすいてるなら飯も食え。

 7:45pm 検温 36.9℃。36度台に逆戻り。

 9pm 栄養チューブ

 10pm 目薬

 11pm 栄養チューブ
 自分じゃ全然やらなくなったので、前脚の爪を切って、汚れをふき取って、古い角質をぱりぱり剥がしてと手入れをした。ばっちい手で目をこすって、ばい菌が入らないように。もっとも手で顔をこすることも、もうやらないんだけど。

 11:45pm シェルターから出てきて、うあんと言ってまた帰っていった。5分後にもう一度。おしっこか?抱っこしてお腹を触ったら、ぱんぱんてほどじゃないけど、まあまあ溜まってた。うんこちゃんはどうだ?いっぱいあるけど、今のいっちゃんがふんばれるとは思えないので、おしっこだけさせようとトイレに立たせて膀胱の辺りを撫でてたら、なんか違う反応。ひゃあ!ふんばってる!!びっくりした。そんな力があるとは思わなかった。せっかく頑張ったのに、うんこちゃんは硬くでかく育ってしまってて出なかった。ソファに寝かせてお腹マッサージ。2回ふんばってくれたが、入り口に詰まってるのの先っちょを、ほんの少し崩せただけだった。王様の努力を無駄にしてしまった。へたれでごめん。

 12pm〜12:30pm 皮下輸液、薬、検温(37.3℃)、目薬
せっかく背中がきれいになったばかりなのに、今日また違うところが真っ赤になった。なんでー?!今朝はなかったのに。広範囲に真っ赤っかで、内出血に見える。痛そう。この前まで赤くなってたところに、しこりが残ってしまった。今回赤くなったところにも、しこりができている。なんで、どうしてこうなっちゃうの?
 
 12:30am 栄養チューブ

 とうとうご飯記録が0g。こんな新記録、作らんでよろしい。通常ならこんなときは強制給餌するんだけど、今日は栄養チューブだけはやる気でべろべろしてくれるのでしていない。そのせいで新記録となったんだが。栄養チューブだけは嫌がらずに舐めると言うことは、わずかでも食欲は残ってるってことだ。食べる気になるものをあげれば食べるんじゃないかと思う。しかしそれが何だか分からない。猫缶だめ、お刺身だめ、なまり、焼きかつおだめ、かつおぶしだめ、つみれもだめ。どうしよう・・。何が食べたいのか言ってくれれば、本まぐろ丸ごと1匹は無理だけど、ふぐくらいなら頑張る、買ってやる。教えてくれ。

 おしっこはトイレに行くし、鳴くし、昨日よりはいいように感じる

 05/04(日) 通院 2.65kg 自宅で静脈点滴再開 ご飯0g うんこちゃん&ケー 採血 
 午前中に病院へ。
 背中の赤い皮膚炎は、私の注射のしかたが悪いからではないらしい。長期間の毎日2回の注射で背中の皮膚が弱くなっているので、ちょっとしたことで炎症になってしまうのだそうだ。私のせいじゃなかったのは良かったが、もう皮下輸液はやめることに。これ以上無理すると皮膚が壊死してしまうこともあるそうだ。こわい。でも、じゃあどうする。ここのところ飲むお水の量が減っているし、体調も悪い。結局、静脈点滴しかない。留置針を入れてもらって帰宅。いっちゃん、ぬるく抵抗。

 午後、先生が2人で来てくれて機械をセットし、点滴開始。血液検査の結果は、今までで一番悪かった。BUN もCreも悪かったが、リンが機械振りきりで測定不可能。白血球が正常値よりも少しだけ高い。これはたぶん、背中の炎症からきている。いいことではないが、身体の免疫機能がまだ働いている証拠でもある。

 いっちゃんはぐったり寝たままで鳴かない、おしっこもそのまましてしまう。昨日は少し良くなった感じだったのに。

 5pm、点滴のチューブ内に細かい気泡がいっぱい付いているのに気が付いた。とんとんとたたいて上に抜いた。

 10pm、また気泡。さっきよりも多い。何百単位。チューブを閉めるローラーよりも先まで行ってしまってて、上に抜けない。翼状針を抜いて液を早送り。前回と同じ操作をしたが機械の反応が違ってて、なかなか早送りができない。なんとか気泡を全部抜いて翼状針を留置針につないで点滴再開。しかし2分くらいするとエラーが出て止まってしまう。何回、機械をセットしなおしてもエラーが出る。翼状針の刺し方が悪かったのかもと、やり直して再開。またエラー。もう一度刺し直そうとしてたとき、握っていたいっちゃんの手がぴくんと動いた。耳や目の脇もぴくんぴくんしてる。治まらない。痙攣が来るのかと怖くなった。
 先生に電話。機械のエラーといっちゃんのぴくんを報告。11pm前に来てくれることになった。ぴくんがあるなら点滴は続けていたほうがいいとのことなので、翼状針をいっちゃんにつながないでコップに引っ掛けたままで機械をスタートさせてみた。何回やっても同じ、エラーになってしまう。30分くらいなので、先生を待つことに。しばらくして、先生が来る5分くらい前にぴくんは治まった。

 ちょうど先生2人が来て玄関のブザーが鳴ったとたん、それまでぐったりだったいっちゃんが自分で起き上がって歩いた。トイレに連れて行ったらジャージャーおしっこして、終わっても動かない。ん?と思ったらふんばってた。びっくりした。出なかったけど、ふんばる力があるなんてすごい。しかし先生が来たとたん元気な感じで、まるで私たちは「ちょっとしたことで大げさに騒ぐばか飼い主」そのままだったぞ。この際だから排便ショーも披露したかったな。

 先生は機械をセットし直して、目の表面に張り付いていた目やにを洗って(家にあった人間用の無添加目薬で)、念のためショック症状を抑えるステロイドの注射を打ってくれた。どうも夜遅くにすまんです。

 自分からふんばってたくらいなので、出すしかないとお腹マッサージ。うんこちゃん、出ました。血便が怖くて、少しずつしかかきだせないので時間がかかったし、いっちゃんに何回もふんばらせてケーさせてしまった。こわごわやっても結果は同じ、表面に薄く血が・・。しかも今までより少し多い気がする。指にオイルをたっぷりつけて、肛門と直腸に塗ったけどだめだった。ああ、余分な血液なんてないのに、あちこちから出血しちゃってるなあ。でかめのうんこちゃんが1個お腹に残ったままだったが、マッサージに反応しなくなったのでやめ。明日ね。

 うんこちゃんのあとは、ぐったりいっちゃんに逆戻り。疲れたよね、あんなに頑張ったんだから。

輸液バッグ ソルラクト+カリウム+ビタミン剤 2pm〜11pm 20ml/h  11pm〜 15ml/h
体温37.2〜37.3℃

 05/05(月) 痙攣発作2回 ご飯、限りなく0g 採血 栄養チューブ11本目 
 6am、私が布団に入ってから、5分も経っていなかった。うとうとしかけた時、がたんという音が王様シェルターから聞こえてきて、心臓がどきんとなった。次の瞬間には、シェルターの中でがたがたと痙攣しているいっちゃんの口に、布を噛ませようと必死になっていた。いっちゃんは、頭を奥に向けて寝ていたおかげでシェルターから飛び出さないですんでいた。その代わり、布も噛ませにくい。抱いてシェルターから出そうかと思ったが、暴れているので中にいたほうが安全だと思い直した。10秒くらいで発作は治まり、からだの動きが治まってから抱きあげた。しっぽがふくらんで、きつねさんになっていた。

 目をまん丸に見開いてしばらく反応がなかったが、そのうち「あ〜ん」と鳴いて、身体をもぞもぞ動かして私の膝の上から降りようとした。ソファに降ろすと、お水を盛大に飲んで、猫缶ご飯のお皿に顔を突っ込んですごい勢いで食べだした。発作の後は、なぜかいつも狂ったように食べる。実際、ある意味狂っているんだが。しかし前回の発作のときほどは食べないで、わりとすぐに終了。それでも20g減っていた。丸3日ぶりにご飯を食べた。そのまま前庭で箱座り。中でおしっこを漏らしていたので、掃除してから私も無理矢理、ソファで添い寝。8:30amまで半分寝ながらいちを抱いていたが、いっちゃんはシェルターの中に戻って落ち着いているようなので私も布団へ。

 10am、気が付いたら前庭で寝そべっているいっちゃんの背中をさすっていた。口をくちゃくちゃさせる音で起きたのは、おぼろげに覚えている。いよいよ吐きそうになったのでトイレに入れたが、身体を支えてやらないと立っていられない。さっきせっかく食べたご飯を吐いた。そのときのひどく苦しそうな姿。やりきれない。

 11:30pm、再びがたんという音。5時間半前の再現。いっちゃんの発作も、私の行動も同じ。この発作の後はご飯を食べなかった。それだけが違っていた。

 12pm、病院に電話。5分で来てくれると言う。ひどい顔と髪の毛で、寝巻きのTシャツのまま先生を迎えた。先生は特別に何かをしたわけではなく、いつもと同じ血液が凝固するのを防ぐ注射をして、翼状針を取り替えて、採血して(いっちゃん、ぬるく抵抗)帰っただけだったが、先生が来てくれると心強い、落ち着けた(私が)。

 いっちゃんは、ひたすらぐったりと横になっている。栄養チューブは舐めてくれる。

 2pm、先生から電話。血液検査の結果、血球容積が13%しかないので輸血をしますかと聞かれた。するなら先生の猫の血液が合うかどうか調べるという。もしだめだったら、合う猫を捜すのに時間がかかるかもしれないから今決めてくださいと言われた。とりあえず「お願いします」と答えたが、電話を切ってからずっと考えて迷っていた。

 輸血をするには、病院に預けなくちゃならない。私やくりくりはそばにいてやれない。いっちゃんの性格を考えるとストレスになるでしょうと先生も言う。拒絶反応によるショック症状のリスクもある。ずっと監視してて、もしそういった症状が出たらすぐに中止するけど、いっちゃんは苦しい思いをするかもしれない。そして輸血が成功しても、その効果は1週間くらい。また病院に預けて輸血をして、何回かやると抗体ができてしまい同じ猫からの血液は使えなくなるので、別の血液提供猫を捜すことに。それを繰り返しても、いっちゃんは治らない。延命だけ。元気にご飯を食べられるようになる延命ではなく、「死なない」というだけの延命。苦しい、怖いを長引かせるだけではないのか。動物は、苦しくても少しでも長く生きていようとする本能があるのではと思う。一方、いっちゃんがもし日本語をしゃべれたら「家で静かにそっとしておいてくれ」と言うかもしれない。本猫の意思を聞きたい。

 輸血をしないまま静脈点滴を続けると、どんどん血液が薄くなって死んでしまう。貧血がひどいからと点滴を止めると、尿毒症が一気に進んで死んでしまう。ただどちらにしても、たちまちそうなるというわけではないだろう。1週間前後くらいの時間はあるんじゃないか。その間、何もしないでただいっちゃんを見守っていられる自信がない。日毎にじわじわと衰えて、痩せて終わりに近づいていくいっちゃんを見るのが怖い。じたばたと輸血などをすることで、自分の気を紛らわしたいだけなのか。「できるだけのことはした」という自己満足で、自分が楽になりたいだけか。いっちゃんには迷惑なことかもしれない。「少しでも長くそばにいて欲しい」という気持ちはもちろんあるが、穏やかに眠っている姿を見ると「このまま静かに、苦しむことなく今終わってくれたら」と、ちらりと思ってしまう。

 あー、でもさ、やってみなきゃ分からないんだよね。輸血がきっかけで元気になってメシばくばく食うかもしれないし、それで点滴がはずれて自前で血液が造れれば輸血を続ける必要はないし。なんたって不死鳥いっちゃん、王様だもんね。ま、それも一時的な期限延期だけど、その「一時」がもしかしたら1年くらいあるかもしれない。絶対無いとは言えないよね。やってみよーと決めました。一応今回はね。それから後のことはまた後で考えることにする。

 7pm、再び先生から電話。先生の猫さんの血液がいっちゃんに使えるので、明日輸血することになった。大丈夫だよ。絶対。信じる。先生の猫さんに、何か好物を買ってあげたいな。お刺身、好きかな。ごめんね、いっちゃんに血を下さい。

 夕方からまた点滴チューブに気泡が付くようになった。2〜3時間おきに、たたいて上に抜く。

 右目、出血した血が下に溜まって、黒い帯のようになっている。新しく出血していないということだ。このまま治まってくれと祈っていたが、夜にまた右の眼球全体が薄赤くなっていた。腫れてはいないが、新しい出血だ。目薬をさすしかできない。

 眼球の水平眼振もひどい。血圧が高くて出血するのは確かなようだが、薬は飲めない。また肝臓がやられる。

 おしっこは寝たまましている。「出たよ、あお〜ん」の合図もなく、濡れた上にそのまま寝ているので、しょっちゅうお尻の下を触って確かめる。夜一度だけ、いっちゃんが自分で王様シェルターから出てきた。中を触ったらおしっこがしてあった。立ってるいっちゃんを見たのは、朝の痙攣発作の後以来だ。

 夕方くりくりが一度帰ってきた時にスーパーまですっ飛んでって、ペットシーツといっちゃんが食べそうなものを片っ端から買ってきた。お刺身は連休の最終日でいいのがなくて、まぐろのすきみと真鯛だけ。あとはかにかま、つみれ、鯛のかまぼこ。塩分がどうのこうのの段階じゃない。何でもいいから胃に入れなきゃ。帰宅してすぐ、いっちゃんの前に買ってきたものをみんな並べて、次々に口元に持って行った。一番最初にあげたまぐろのすきみの、小さい小さい欠片を2つだけ食べた。あとは何をあげても、臭いはかぐけど食べなかった。その後も何回やっても食べなかった。

栄養チューブ11本目

ご飯:猫缶20g(痙攣発作の後) でも吐いちゃったので0g ・まぐろのすきみ、極小2辺
体温:36.9〜37.2℃
点滴:ソルラクト ソルラクト+カリウム+ビタミン剤 15ml/h

 05/06(火) 輸血 ケー うんこちゃん 採血 ご飯、限りなく0g
 点滴チューブの気泡を抜くので、3時間で起きた。もう1回寝なおそうと思ったが、目が冴えてしまった。ネットで猫の輸血を検索。昨夜、あんなに悩んだほど危険なものじゃなさそうだ。少なくても最初の1回は。

 11am、口の周りが栄養チューブでがびがびなので、抱っこして拭いた。いっちゃんはいやがって顔を背けようとしたが、無理に拭いた。その後、久しぶりに少し一緒に寝ようと思って抱っこしたまま立ち上がったら、口をくちゃくちゃさせはじめて・・。私に横抱きにされたまま、苦しそうにケー3回。栄養チューブが出て、顔の右半分にべったりついた。きれいにしようと思って、よけいに汚くしてしまった。嫌がる事を無理矢理やって、苦しい思いをさせてしまった。せっかくのチューブも出てしまった。これがきっかけで、舐めてくれなくなったらどうしよう。

 2pm、先生が来た。先生が点滴機といっちゃんを病院へ運ぶと昨日の電話で聞いていたが、機械は1台空いたのでこのまま置いといていいことに。いっちゃんは、今日また血液検査をして、輸血が必要なら後で連れていくということに変わった。というわけで、また採血。ああ、血が足りないのに毎日採血。検査しないと治療ができないのは理性、理屈では理解しているが、心情的に辛い。

 1時間もしないうちに先生から電話。血球容積が昨日と同じ13%なので、輸血の範囲内ですがやりますか?と聞かれた。やるってば。何回も聞かないで下さい。決心が鈍る。

 病院へ行くのにキャリーに入れると、いっちゃんはおとといと同じ、首を伸ばしてぐでっと横になったまま、目をまん丸に見開いてまばたきもしない。いちごさん、怖いです、それ。

 3:15pm、診察室でバッグに入ったままのいちごさんを預けた。先生も、首伸ばしぐったりを見てちょっとびっくりしたらしく、見るなりいっちゃんの首の下に手を入れて持ち上げたが、まるでぬいぐるみのように何の動きもしない。「反応がないですね」と先生。そうなんです。悲しい。

 献血してくれる猫さんにおいしいお刺身を食べてもらおうと思って、スーパーをはしご。何かあったらすぐに電話をくれるということなので、携帯を握り締めて自転車暴走族。

 4:20pm、病院から電話。無事に輸血終了。面会には行けるが、様子を見るため6:30pmくらいまで預からせてくださいとのこと。あと2時間でお迎えに行けるんだから、べつに面会しなくてもと思ったが、顔が見たくてすぐ病院へ。待合室で待っていたら、いっちゃんの声が2回、聞こえた。こんなにはっきり、大きい声を聞いたのは久しぶりだ。元気そうだ。点滴用の留置針がずれていたので、反対の手(右手)に刺し直されていた。えっ、それって大丈夫だったの?「動物はどうしても動くからずれちゃうんですよ」と先生。いっちゃんはほとんど動かないが・・。あ、痙攣を2回起こしたから、そのせいもあるかな。液漏れはしていなかったらしい。針がずれてたのに液漏れしてないってあるんだね。よかったけど。

 輸血中にうんこちゃんをしたそうだ。血は付いていなかったし、ケーもなし。すごい、さすが王様。自力でふんばって大きいのを出したそうだ。

 診察室でいっちゃんと2人にしてもらって、抱っこして撫でながら話しかけた。いっちゃんはときどき「ふ〜ふぅ〜」と、ため息のような、大急ぎでした深呼吸のようなのをしながら、大人しく私に抱かれていた。
 右目は出血はひどくなったようで、真っ赤だった。
 診察室は空調が入っていて、ちょっと寒い。いっちゃんの肉球も冷たい。後脚は私のTシャツの中に入れて、前脚は手でこすったが、身体全体を温めてやりたい。いっちゃんといっしょに栄養チューブ、掛け布団、枕を預けた。キャリーの中にはショールも入っている。それらが欲しかったが、さっき「栄養チューブをあげてみていいですか」と聞いて持ってきてもらって、今度は「ショール」と要求するのがなんとなくはばかられた。入院スペースのほうが暖かいかもしれないから、もう私は帰ろうと思い、先生を呼んだ。5:45pmだった。

 あと1時間もしないでお迎えできると思っていたら、「何も変わったことがなかったら、安定しているようですからもう連れて帰っていいです」と言ってくれた。ため息の事を話したが、先生は特に何も言わなかったので、そんなに重大なことじゃないと思った。今までも薬を飲ませた後なんかにため息付くことあったし。先生は「栄養チューブ、舐めなかったです」と言っていたが、私があげたらべろべろしてくれて、それも安心だった。

 診察室で最初に見たときは元気そうになったと思ったが、キャリーバッグに入れたらまたぐったり横に寝て「大丈夫か、この猫」状態。とりあえず、急いで帰ろう。

 帰宅後、あじのお刺身。ツメの先ほどの欠片を2つだけ。あとは食べない。最初、王様シェルターの中できちんと箱座りしていたが、そのうち横になり昏々と眠る。病院は疲れたようだ。ずっと緊張状態だったのだろう。

 8:30pm 先生が様子を見に来て、点滴パックを変えていった。ソルラクトからソルデム3へ。カリウムとビタミン剤入り。変わったことは何もなかったので、すぐに帰られた。

 9pm 様子が変になった。首を伸ばして、ぼんやりとした半目。名前を呼ぶと一瞬、目に力が戻る。目以外は全然動かない。

 10pm ぴくんぴくんが始まった。顔が顔面神経痛のように、手足が跳ねるように突発的に動く。

 10:30pm 先生に電話。ぴくんが輸血の影響なのか、痙攣発作の前兆なのか分からない。もし発作だとしたら、輸血した日に抗痙攣薬を飲ませても大丈夫なのか。
 輸血の反応ではないと思われるので、抗痙攣薬を飲ませるようにとのこと。

 11:40pm 抗痙攣薬を飲ませた。少し涎を出したけど、今日は泡を吹かなかった。

 12am 自分でトイレに行っておしっこ。

 1pm 呼吸が落ち着いた。

 2:30am 自分でトイレに行っておしっこ。

 3am 食べないとは思うが、ご飯はずっと用意してある。私が寝てしまっても食べられるように、ふたを取った。臭いに反応したのか、王様シェルターから出てきて長いことご飯をくんくんしたが食べなかった。食べたいのに食べられない感じだった。ずっと食べていないから、お腹がすいていて当然だ。なんで食べられないのか。かわいそうだ。

 ご飯のにおいをくんくんしていたら、息がどんどん荒くなってきて、横になってからも治まらない。浅くて早い呼吸で、しょっちゅうため息(すばやい深呼吸?)をつく。目をぱっちりとまん丸に見開いたまま、まばたきもしない。頭がのけぞるほど首を目いっぱい伸ばしている。

 苦しそうなので、点滴の流量を15ml/1hから12ml/1hにした。体温36.3℃。

 私の布団を、いつもはいっちゃんのトイレをはさんで敷くのだが、今日はぴったりソファにくっつけてトイレは横に置いた。そのほうがいっちゃんの様子がよく分かると思ったのだが、あまりにも呼吸が苦しそうなので布団に寝かせて、私も隣にくっついて横になった。いっちゃんの苦しそうな息の音と、身体の動きが伝わってくる。手のひらをいっちゃんの背中にぴったりあてて、エネルギーを送る真似事をした。

 3:30am 苦しそうな呼吸は治まらない 点滴の流量を10ml/hにした。

 こんなふうにいっちゃんを抱いて寝るのは、ちょうど1年ぶりだ。去年の今ごろ、「布団に入れろ、ぎゃおす」と来なくなった。いっちゃんを抱いていられるのはうれしい。でもひどく苦しそうなのが悲しい。

 ご飯は食べないが栄養チューブは舐めてくれる

 05/07(水) 呼吸異常 採血 食事、完全に0g 
 ずっと呼吸は速いまま、首も伸ばしきったまま。眠そうに半目になるのだが、大きい息をするたびにぴくっとして目を開けてしまう。大きい息は1分に1回はある。5分に1回くらい、「くぅ〜」と苦しそうな小さい声が漏れる。昨夜の9時から眠れていない。猫は食う寝る遊ぶの生き物なのに、いっちゃんは今どれもできない。

 いっちゃんを抱きながら少しうとうとした。夢の中で大きい息が聞こえるたびに、「いっちゃんの本」を急いでめくって違うページの健全な息をコピーして、聞こえた大きい息の上に貼り付けるという作業を延々やっていた。そのうち大きい息ばかり続けて聞こえるようになってきて、コピペが追いつかなくて泣きそうになっている夢だった。

 5:30am、うとうとから目が覚めた。いっちゃんの呼吸はいよいよ速くて苦しそう。点滴の流量を7ml/hにした。

 6am、私が限界に来た。もうそれ以上、ただ見ていることができなくなった。点滴を止めて先生に電話。非常識なのは分かっていたが、あと3時間、病院が始まるまで待てない。昨夜からもう何時間も苦しいままだ。私だったらとっくに「苦しいよ〜すぐに何とかしてくれ〜」と大騒ぎしている。

 メッセージを入れて10分で先生から電話。いっちゃんの状態をもう一度説明して「何かできることはないですか」と聞いた。「入院管理していないんだから、私が伺うしかないでしょう」と言った後で、輸血の影響とは考えにくいから一過性の発作かもしれないこと、呼吸を楽にする注射、ショック症状を抑えるステロイドの注射などがあるが、効くかどうかは約束できないとの説明。「どうしますか」と聞かれたので、「こんな時間に来ていただけるんですか」と言ったら「だってしょうがないでしょう」と言われてしまった。先生は正しい。どんなに先生に申し訳ないと思っても、それ以上にいっちゃんを助けたいと言う気持ちのほうが強い以上、来ていただくしかない。最後に「点滴は止めたままでいいですか」と聞いたときは「私が見ているわけじゃないから分かりません。止めておいてください」と。・・・まったく先生は正しい。電話での説明だけで、自分の目で状態を確認していないのに点滴をしたほうがいいのか止めたほうがいいのか判断はできない。当たり前だ。
 電話を切った後に、自分のうかつさと先生にかけてる大迷惑とで落ち込みそうになったが、それよりいっちゃんだ。そっと撫でるしかできないけれど。

 6:40am、先生到着。検温するように私に指示して、先生はてきぱきと心音の確認、触診、注射2本、翼状針の取替え。体温は36.8℃だった。電解質の異常で呼吸困難になることがあるので血液検査しますか、と聞かれた。お願いしたので採血。いっちゃんは全く無抵抗のガンジー猫。声も出さない。
 先生の顔も疲れているように見える。申し訳ない。私のせいで身体を壊しませんように。

 7am、先生が帰ったあと、いっちゃんの様子が特に何か変わったわけではないけれど、先生の処置で私は少し安心して、またいちを抱いて横になったら眠ってしまった。

 9am、先生から電話。様子を聞かれた。まだ呼吸は早いけれど、さっきまでのようにひどく苦しい感じではないと伝えると、点滴を再開するように指示。15mlで流して、苦しそうだったら10mlにしてくださいとのこと。電話を切った後、なんと私はそのまままた眠ってしまった。・・緊張感、なくなった。

 10am、ぴちゃぴちゃいう音で目が覚めた。ひゃー、いっちゃんがお水を飲んでいる。ってことは、自分で起き上がって、歩いて、ソファに乗って、王様ご膳まで行ったんだ。その距離わずか50cmくらいだけど(迷わなかったら)、ソファと布団の段差は3cmくらいしかないけど、つい3時間前までは横に寝たきり手足を動かすことさえできなくて、やっと息をしている状態だったのに。すごい。びっくりうれしくて、じーっと見つめてしまった。長〜いことお水を飲んで、自分でずぼっと王様シェルターに戻っていった。ごめんよ。私が眠っちゃって点滴を止めっぱなしだったから喉が渇いたんだ。すぐ翼状針を刺して再開。15mlで流したが、いっちゃんの呼吸がまた苦しそうになってきたので10分で10mlに落とした。息は落ち着いたようだった。お尻のところにだけ、布団の上にペットシーツを敷いておいたのが見事に濡れていた。持ち上げたらずっしり重い。たくさんおしっこ出て良かったね。

 12pm、検温。36.1℃。今日は暑いくらいだけど、温めたほうがいいんだろうか?フリースの掛け布団を1枚かけた。

 2pm、流量を15mlにしてみる。すぐに呼吸が荒くなってしまったので、5分で10mlに戻した。アルファ波が出るかもと思い、グレゴリオ聖歌団のCDをかけたら自分が気持ちよくなった。
 先生から電話。電解質は大丈夫だったそうだ。血球容積も20%まで回復している。献血してくれた猫さん、先生、ありがとうございます。

 3pm、検温。36.3℃。掛け布団を2枚にした。大きい呼吸がなくなって、伸ばしっぱなしだった首を普通の状態に戻している。そのうち頭を自分の胸に引き寄せるように曲げて、眠った。よかった。眠れるようになったんだ。だいぶ楽になっただろう。なるべく物音を立てないようにした。

 5pm、自分で歩いてトイレへ。おしっこ。

 7pm頃から呼吸がさらに落ち着いた。いつもよりは速いけど、苦しそうではない。首も伸ばしていない。体温、36.3℃。使い捨てカイロを何重にも布で包んで、少しだけ身体に触るように置いた。30分おきに置き場所を変えて低温火傷を防ぐ。

 11pm、体温、37.5℃。よかった。

 1pm、体温、38.1℃。温めすぎた。いっちゃんは37.5〜38℃がいいらしい。カイロを取った。

 ご飯は全く食べない。栄養チューブは、口元に差し出すと自分から舐めてくれる。ありがたい。午前中の1回を抜かしておもらしなし。全部自分でトイレへ行った。
呼吸が苦しいときの「くぅ〜」以外は声を聞いていない。

 05/08(木) ケー 食事0g 
 9am、昨日とは打って変わって穏やかな朝。起きていっちゃんを見ると、目に力がある、顔に表情がある、声をかけると、返事はないものの、しっかり私のほうに顔を向ける。トイレにおしっこがしてあった。1回目は、「がさっ」という音で目が覚めて、1人でちゃんとトイレに入っておしっこしてるいっちゃんを褒め称えつつ、帰りは王様シェードまで送った。2回目は気が付かなかった。自分でトイレに入って用を足して、シェードまで帰ったんだ。偉いなあ。しかもおしっこ、トイレからはみ出していない。ちゃんとナイスな位置にしてあった。

 ご飯は食べないけど、栄養チューブはべろべろしてくれる。体温37.6℃。呼吸数35回/m。順調に回復しているようでうれしい。 
 いっちゃんの具合が落ち着いているので、くりくりに任せて安心して打ち合わせに。5時間で帰宅。くりくりも、今日は具合が良さそうだと言っていた。自分で寝返りも打つ。ひとつ気がかりなのは、私がいない間におもらししたそうだ。調子が悪くなってなければいいけど。栄養チューブは「待ってました」って感じで、首を伸ばして舐めに来る。かわいい。

 3pm、先生が来ていつものように一通り診察。調子が良さそうな事を伝えた。点滴の流量を15mlにして様子を見て、大丈夫そうだったら昼間は15で寝るときには10にするとかしてみてくださいとのこと。

 5:30pm、ずっと落ち着いているので流量を15mlに。

 6pm、肉球が冷たい。体温が36.3℃に下がっていた。布団を1枚かける。

 8pm、体温36.4℃。布団を2枚にする。

 8:30pm、昼からおしっこしていない。もう少なくても8時間は経っている。抱っこしてトイレに入れて、膀胱なでなでしたが出ない。

 9pm、自分でトイレに行き、おしっこ。よかった。

 9:30pm、顔を王様シェードの奥側にして寝ていたいっちゃんが、横になったまま吐いた。寝たまま吐くと喉に詰まって危ないので抱いてシェードから出す。苦しそうに4回ケーした。最初の2回は栄養チューブが、あとの2回は何も出なかった。呼吸がすごく早い。44回/m。体温36.4℃。使い捨てカイロを直接触らないように入れて、流量を10mlに戻した。

 11pm、栄養チューブをべろべろしてくれたのでちょっと安心。飲み込む時にごっくんと大きな音をたてて、身体全体がしゃっくりのように動く。前からだけど、こんなに大げさじゃなかった。心配。
 お腹の中がうんこちゃんでいっぱい。おととい出したばかりなのに。栄養チューブだけでも、こんなに排泄物ができるもんなんだ。1時間お腹マッサージしたが、便意がないのかふんばる力がないのか、全然効果なし。

 12am、体温36.9℃。カイロを取った。布団は2枚、かけておく。

食事、全く食べていない。栄養チューブは舐めてくれる。
苦しそうに「くぅ〜」と息を吐いた時に漏れる声のみ、1回だけ聞いた。

 05/09(金) 採血 ご飯を食べ始めた うんこちゃん 
 7am、いっちゃんがトイレに入った音で目が覚めた。ちゃんと1人でおしっこしてる。し終わった後もじっと動かない。もしや・・?ふんばってた。ゆうべのお腹マッサージが今ごろ効いてきたらしい。しかしお尻が砂の上にべったりついてしまっている。それで出るのか?出なかった。  
 ソファに戻してお腹マッサージ。30分ほどでふんばってくれたが、力が足りなくて頭が出てこない。大きすぎるせいもある。綿棒で慎重にほじほじ。100%栄養チューブのうんこちゃんなので軟らかいかと思ったが、まったく水を飲んでいないので水分がない。ほじほじするとぽろぽろ崩れてしまい、塊が出せない。いっちゃんは2回、ふんばってくれて、やっと中1個出せた。お腹を触ると、特大ご本尊がはっきり分かる。しかし体力的にきびしいので、いったん休憩。  
 11:30am、マッサージ再開。息が荒くなってきたので中止。  

 12pm 体温35.6℃  呼吸35回/分  カイロを入れた。
 薬を飲ませて栄養チューブを舐めさせた後、横抱きにしたまま焼きかつおを口元に持っていったら、お皿に顔を突っ込んで口をもぐもぐ。飲み込んだかどうか分からない。食べたとしても、見た目では分からないくらい微量。  

 先週の金曜日の、午前中までは普通にご飯を食べていたのに午後から急変した。それから食べなくなって、ちょうど丸1週間だ。点滴と栄養チューブで生きているようなものだ。好きな栄養チューブが見つかって本当に良かった。それがなかったら、どうなっていたことか。  

 2pm 体温35.2℃ 手足が冷たいのでマッサージすると、いやがって引っ込める。こたつを弱で入れた。横に寝せても自分で箱座りになる。体温計をお尻に入れるとぴくっと身体が動く。今までは全然反応がなかったのに。  少しでもリラックスできるかとアンビエント系のCD をかけた。聞いているみたい・・かな?  

 2:30pm 起き上がってご飯置き場に行き、焼きかつおをもぐもぐ。飲み込んではいないようだ。  
 
 3pm、先生が来た。体温36.6度。今日は先生の事を気にして、触られている方に顔を向ける。めずらしい。警戒していますね、と先生。そうだ。神経過敏になっているらしいことが、いろいろ思い当たる。右目の出血も水平眼振も治まらない。脳圧が高くなっていると思うと先生。高血圧が原因なのだが、肝臓に負担が大きくて血圧を下げる注射は使えない。飲み薬は効き方がゆっくりなので長期間服用しないと効果が出ない。先生はどうしようか迷っているみたいだった。  
 さっきご飯置き場に出てきたりしていたので、おしっこが溜まっているかもしれないと思い、お尻の下にペットシーツを敷いて採血。最後のほうでおもらししながら猫キックを繰り出し、危なかった。やっぱり興奮状態だ。    

 先生が帰られた後、ずっと箱座り。落ち着かない様子。

 4:30pm、箱座りをくずして横にごろん。落ち着いてきたようだ。

 6pm、体温36.1℃。また下がった。こたつの電源を入れて暖かくして、身体を触ってもさっきのように冷たくないのに。表面が暖まっているだけで芯は冷えているのか?  体温計をお尻に入れたとき、ぴくっとしなかった。神経過敏は落ち着いたみたい。

 6:30pm、36.6℃。少し上がったのでこたつの電気を切った。さっき焼きかつおをもぐもぐしたので、食べるかもと思いすっ飛んでお刺身を買ってきたが、食べなかった。

 8pm、夕食のとき、くりくりがアジのお刺身をいちの口元へ持っていった。私が「1時間前にやったけど食べなかったよ」と言ったが、くりくりはやめなかった。そしていっちゃんは、食べた。鼻くそサイズに小さくちぎって口に押し付けられたお刺身を、舌でべろんと口の中へ運んで、飲み込んだ。それっと次々お刺身を差し出す。5〜6回はぺろぺろと食べてくれた。1切れ分くらいは食べたと思う。アジのお刺身の1切れは小さい。それでも丸1週間ぶりで「食べた」といえる量だ。くりくりの手からお刺身を食べているいっちゃんを見て、今度はうれしくて涙が出た。おいしかった?よかったね。またおいしいができて良かった。点滴でただ生きてるだけじゃないね。ちゃんと「おいしい」して、ちゃんと生きてるね。

 9pm、体温36.9℃。もうちょいだ。肉球はさっきほどひんやりしていない。

 10:30pm、起き上がったのでトイレに入れた。トイレの中で、王様、寝そべっておくつろぎに。違うでしょ。身体を支えて立たせて、膀胱なでなで。おしっこしてくれたが、終わってからも、またもや様子が・・・あ、うんこちゃんだ。肛門が微妙に膨らんでいる。ソファに寝かせてお腹マッサージ。すぐふんばってくれて、綿棒でほじほじ。昼間と同じ、硬くはないが乾燥したうんこちゃんで、綿棒が触るとぽろぽろ崩れる。また中1個、小1個しか出せなかった。でっかいご本尊はいまだお腹の中。王様、疲れてぐったりになったのでもうやめ。

05/10(土) お刺身食べた 採血
 6am起床。いっちゃん、変わりなさそう。体温37.1℃。なまりのお皿を口元に持っていったら、はぐはぐしてくれた。減ったようには見えないが。それから私は仕事へ。

 11pm、帰宅。くりくりから聞いた、いない間の様子。
 アジのお刺身を2回に分けて食べたそうだ。1回目、2切れ。2回目、2切れ半。すごいすごい。

 自力でうんこちゃん。寝ているいっちゃんの布団をめくったら、特大1個、中2個がごろんと・・。すごいなあ。

 トイレは全部自分で行った。1回などは、くりくりがトイレに行って部屋に戻ってきたら、いっちゃんがトイレを探して床の上にいたそうだ。おしっこが出た後、「お迎え、ぎゃおす!」の要求もあったらしい。今日は何回か鳴き声を聞いたと言っていた。いいなあ。私が帰ってからは鳴いてくれない。いっちゃんの声、私も聞きたい。

 寝返りも自分で打っていたそうだ。ちょくちょく起き上がっては、ばったんと反対側に倒れこむ方式。
 先生が来て、今日も採血。

 元気そうでうれしい。なによりだ。ん?私がいないほうが元気なのか? 体温36.8〜37.7℃

05/11(日) 下痢 ケー 栄養チューブ12
 朝、起きてすぐ栄養チューブ。自分から首を伸ばしてやる気満々で舐めた。と思ったら、涎を出して口をくちゃくちゃさせ始めてケー。昨日、調子が良くなってきたと思っていたらこれです。

 検温するのに掛け布団を取ったら、まん丸ボールうんこちゃん。直径2cmはありそうだった。私が寝ている間に自力で出したらしい。こんなものよく出せたね。すごい。おしっこもしてあった。トイレにもあったので、こちらはふんばったら漏れちゃったのかな。うんこちゃんは素晴らしかったが、体温は36.1℃と全然素晴らしくない。カイロで温める。

 吐いて1時間半後に栄養チューブ。これもやる気で舐めて、またもや涎&口くちゃくちゃ。しばらく気持ち悪そうだったが、これは吐かずに我慢してくれた。

 2pm、先生。食欲はあるのに、食べると気持ち悪くなってしまうようだと報告。体内の水分の調節がうまくいかなくなっているようなので、もし吐かないようなら、少しお水を飲ませるようにとのこと。いつもの処置+吐き気止めを注射してくれた。

 3pm、栄養チューブ。口くちゃくちゃなし。吐き気も治まって落ち着いているようなので、くりくりに任せて用を足しに外出。

 7:45pm帰宅。私がいない間の様子を聞いた。
  3:30pm、自分で出てきてトイレへ。そのまましばらく固まってて、箱座り。くりくりが立たせてやったが、またそのまま固まって箱座り。シェルターに戻して少ししたら、くぇっくぇっと始まったので外に出したそうだ。そしてケー。やっぱり吐いてた。吐きながら、下痢までしてた。茶色のどろどろ。

 5:30pm、薬と検温。36.8℃。

 7pm、自分で出てきてトイレへ。おしっこと下痢。おしっこしたら下痢が出ちゃったみたいな、全然苦しそうじゃなくすーっと出たそうだ。茶色の水便一歩手前。

 7:30pm、自分で出てきて王様ご膳のご飯を自ら食べた。長いこと食べていたそうだ。4g減っていた。これは多いのか少ないのか?

 げーもがっかりだが、下痢はもっとがっかり。お腹痛いだろうな。それで吐いてたのか。何で下痢?昨日のアジのお刺身にあたったとか?生ものはあげないほうがいいのかな。せめてほんの少しでも、おいしい思いをさせてやりたいが、お腹痛くなっちゃよけい辛い。

 10pm&12am、鯛のお刺身をツメの垢ほど食べた。栄養チューブはよく舐める。私が帰ってきてからは下痢は止まっている。

 12:30amの検温、37.4℃。

5月12日(月) 採血
 9am、仕事に行くくりくりが、ばたばたしている音で目が覚めた。いっちゃん、箱座りでこっちを向いていた。うわっ、びっくりした。こっち向いて座ってるなんて、最近とんとなかったから。  「いっちゃん」と声をかけたら、すくっと立ち上がってトイレへ。おしっこし終わったら、王様シェルターにむこう向きで入っていった。あ〜あ、またいっちゃんの顔が見えなくなっちゃった。

 寝る時に置いておいた猫缶ご飯に顔を突っ込んだ跡があって、6g減っていた。自分でお膳のご飯、食べたんだ。今日は調子、悪くないのかな。そう願う。

 9:30am、体温36.7℃。ちょっと温める。下痢は止まっている。よかった。

 先生が来て、今日も採血

 3pm、体温36℃。カイロを身体に近づける。

 ご飯は、口元に持っていくと、ほんの少しだけ食べる。栄養チューブはやる気で舐める。

 6pm、シェルターから出てきて自らご飯を食べた。見た目では分からないくらいの量だが、なかなか感動的な図で、思わず写真を撮った。食べ終わった後も、自分でさっさとシェルターに帰っていった。

 6:30pm、体温36.8℃。

 10pm、体温36.9℃ カイロで温めているのに、なかなか体温が戻らない。特に具合が悪い様子はなし。

5月13日(火) 留置針交換 猫缶2桁
 6am、起床。またいっちゃんがこっち向いて箱座りしていた。いつもと違うことがあると「これは具合が悪いからかいいからか」と考える。特に調子が悪そうではないけれど、良さそうでもないなあ。置いておいたご飯は食べてない。栄養チューブはすごい勢いで舐める。お腹すいていたみたい。シェルターから出てご飯のお皿の前まで行くのが面倒くさいのか?しかしシェルターの中にお皿を入れるのは無理です、王様。30cmだけ、頑張って動いてください。
 体温36.2℃。低いなあ。カイロを入れて仕事へ。
 
 5:30pm、帰宅。いない間の様子。自分からお皿のご飯を、なんと16gも食べたそうだ。すごいすごい、王様。お昼に測った体温は36.5℃。相変わらずの低さ。トイレに2回、自分で行ったそうだ。

 今日は留置針を右手から左手に替えてもらった。手の血管が潰れていなかったので脚にしなくてすんだそうだ。1回でちゃんと入ったそうだし、良かったよかった。いっちゃん「あわ〜んあわ〜ん」と弱く抗議。

 病院へ支払いに。眠くて眠くてやっと動いてるって感じで出かけたのだが、金額を聞いたら目が覚めて、次の瞬間には気が遠くなった。いちごさ〜ん、このゴージャスな医療費、いいよ、頑張るよ。だからもう少しご飯食べて〜!!

 私が帰宅してからは、ご飯食べない。栄養チューブはべろんべろんしてくれる。一般食の猫缶よりカロリー高そうだし、栄養バランスも良さそうだけど、少しずつご飯も食べないと胃が小さくなって食べられなくなっちゃうよ。チューブ舐めた後、お腹から「ぐ〜きゅるるる」と私のお腹が鳴ってるのかと思うような大きい音が聞こえる。消化器官が働いているんだ。生きている音だ。お腹の音も大事に感じるなあ。

 夜、体温37.2℃。上がってきた。良かった。

5月14日 採血 ケー 
 5am、トイレに起きたら、いっちゃんがまたこっち向いて箱座り。今朝のはおねしょでした。お尻の下が濡れて気持ち悪いので、位置と方向を変えてこっち向いていたらしい。いい傾向だ。おもらししても全然平気でその上に寝ていたんだから。タオルを替えて、栄養チューブを舐めさせてまた寝た。
 起きて睡眠中のご飯をチェック。猫缶、6g食べてあった。自分から食べるようになってきている。また前のように、ばくばく食べてくれるようになってくれるかな。なってくれ。体温37℃。

 先生が来てクッションの診察台に横向きに寝かせていた時、頭を少し持ち上げていた。頭を浮かせている力があるんだから、少しずつ体力も回復してきているようだ。うれしいうれしい。
 採血中、猫キックを繰り出そうとじたばた。抵抗もだんだん強くなってきている。危ないけどうれしい。小さく、人間の子供のような声で「ふ〜ん」と鳴いた。情けない声だなあ。かわいいったらもう。

 自分でトイレに行く。歩き方はけっこうしっかりしている。おしっこするときもちゃんとお尻を持ち上げていられる。いろいろ元気になってきた様子があってうれしい。

 しか〜し、ご飯は食べない。焼きかつおもモンプチ子猫も食べない。栄養チューブのみ。

 12am、満20歳になったので、お祝いに栄養チューブ。舐めて10分後、いっちゃんが起き上がった。涎がひどいので拭いていたらケーした。気持ち悪くて涎が出ていたのかも。起き上がったのもそれでか。拭かなきゃ我慢したのかな。涎出てたってかわいいからいいのに、また余計なことした?誕生日からケーさせちゃった。鬱。

 1:30am、体温37℃。
 「いっちゃん、20歳おめでとう。幸せ?」って聞いたら、かうっかうっと口を大きく開け閉めしながら、頭をぶんぶん横に振った。・・否定した?ただの偶然だろう。もう1回聞いた。「いっちゃん、お誕生日おめでとう。幸せ?」かうっかうっ、ぶんぶんぶん。・・はは。まさかなあ。こんなタイミングもあるもんだなあ。私はしつこい、もう1回聞こう。「いっちゃ〜ん、20歳、しあわ」かうっかうっ、ぶんぶんぶん!!・・はは。あはははは。これ、完全に否定してますね。なんだあ、お誕生日で幸せなのは人間だけか。がっかりだなあ。
 聞くのを止めたら、かうかうぶんぶんもやらなくなった。分かりました。もう聞きません。

 2am、王様シェルターから出てきてご飯を食べた。お誕生日だもんね。4gだけだったけど、偉いぞ、王様。少しずつ、いっぱい食べるようになればいいんだよね。

5月15日 ケー 栄養チューブ13  20歳のお誕生日
 睡眠中のご飯、深夜に食べた4gと合わせて8g減っていた。少しでも食べてくれればうれしいが、もうちょい食べてくれたらもっとうれしい。トイレは1回、自分で行った。
 体温36.8℃。今日は雨でちょっと肌寒い。今までは温めるとすぐに体温が上がっていたのに、今日はカイロを入れてもずっと36℃台。猫の体温じゃないじゃん。大丈夫か?王様。

 私が起きている間は、ちょこちょこ栄養チューブを舐めさせるせいか、全然ご飯を食べない。

 先生が来て、一通りの処置が終わったあと「危険な状態は脱しましたね。落ち着いているので、明日、点滴をはずしましょう」と言われた。貧血も、輸血して20%に上がった血球容積が一時16.5%まで下がって、それがまた毎日1%ずつ上がってきてて今19%なんだそうだ。自分の身体で血を造れている、少なくても壊してはいないということらしい。

 これからはまた皮下輸液になる。せっかくきれいになったのに、また背中が炎症を起こすんじゃないかと思うと怖い。今まで毎日2回だったのを1回にして、注射する場所も背中の横っちょの方にして、なるべく前回炎症を起こした場所を避けるようにしてみましょう、とのこと。前は全身状態が悪かったので、炎症を起こしやすかったんでしょうと言われたが、今でもそんなに状態がいいとは思えない。

 だって、ご飯、全然って言っていいくらい食べない。夕べも吐いたし、チューブ舐めると涎もひどいし、点滴はずしちゃって大丈夫なの?そう聞きたかったが、先生は大丈夫だと思うからはずしましょうと言っているわけで、だめなら言うはずがない。不安、疑問、心配、いっぱいあるが、プロの先生を信じよう。

 今の状態で点滴をはずすということは、これがいっちゃんの最高レベルの元気なんだろうか。これ以上点滴を続けても、これ以上良くなることはないんだろうか。今がてっぺんの状態?これで?先生を信頼してるけど、不安になる。

 目薬をさした後、私の膝枕で横になっていたいっちゃんを撫でていた。しばらくして、身体が冷えないうちにシェルターに戻したほうがいいかもと思って「いっちゃん、帰る?」と聞いたら、よっこらしょっと起き上がろうとした。言葉、分かるんだね。

 夜、顔のがびがびを拭こうと思って、薬を飲ませた後そのまま抱いていたら、ケーした。昨日に続き、2夜連続ケーだ。いつもは3回、多くても4回げーっとやっておしまいなのに、今夜はなかなか治まらず、6〜7回も吐いた。胃の中には薬しか入ってなかったので、それを最初の2回で出してしまってからは、ずっと空ゲロ。「くぅ〜」と小さく声が漏れる。べろを突き出して、身体を硬直させて吐く姿はいつもながら涙が出る。

 抱いていると吐き気が治まらないのかもと思い、横に寝かせた。もう出るものがないので、吐瀉物が喉に詰まる心配もないし。ちょうど治まるタイミングだったのか、やはり抱いていないほうが良かったのか、寝かせたらケーは治まってくれた。頭を胸に引き寄せるようにして眠ったので、そのままそっとしておく。苦しいと、頭をのけぞらせて目をまん丸に見開いたままになるので、今は落ち着いているのだろうと願う。

 1時間後、頭を布団から出したので栄養チューブ。べろんべろんしてくれた。良かった。さらに30分後、今度起きたら薬を飲ませなおししようと思って見つめていたら、またがばっと頭を布団から出した。抱っこして、できる限りすばやく薬を飲ませて、即効王様シェルターに戻した。今度は大丈夫だった。前にも、顔を拭いていたら吐いたことがあった。抱っこの姿勢は、いっちゃんにとって負担になるようだ。なるべく抱かないほうがいいな。さみしい。

 ここ1週間ほど、おしっこの回数が少ない。1日に平均3回。前の半分だ。点滴の流量が少ないせい?大丈夫?

 トイレでおしっこが終わったら、前は「お迎え!ぎゃおす!」と鳴いて要求してた。今はし〜んとしたまま、ただ待っている。「いっちゃん、おしっこ終わったよ、あお〜んって鳴いて」と頼んだら、「わ〜ん」と鳴いてくれた。一声だけだったけれど、久しぶりにちゃんとした鳴き声を聞いた。苦しくて漏らす「ふ〜ん」という声をたまに聞くだけだったから、うれしかった。かわいい声だなあ。
 それにしても王様、完全に日本語を理解している様子。20年、生きているんだもんね。言葉くらい分かるよね。私の方は相変わらず、いっちゃん語がよく分からない。いちの脳みそのが優秀なんだな。


 20歳記念で、昨日しっぽなさんのシルバーキャットクラブに入会申し込みした。そうしたら今日、会員証と誕生日カードを送ってくださった。テトさんの掲示板にお誕生日ですと書き込みしたら、いっぱいおめでとうを言ってもらった。いっちゃんのことを心配してくれる人、応援してくれる人がたくさんいる。ほんとうにうれしい。みなさん、やさしいなあ。ありがとう。

5月16日 静脈点滴終了 採血 皮下輸液再開 
 睡眠中のご飯、4gのみ。体温36.4℃。温め続けているのに、なかなか上がってくれない。
 
 午後、先生が来て、昨日の言葉通りに点滴をはずした。またまた不安でいっぱいになる。ちゃんとお水飲んでくれるのかな。
 採血中に1回、弱く「あお〜ん」と抗議の声。昨日も今日も、いっちゃんの声が聞けた。うれしい。嫌がって出した声だけど。

 先生が帰った後、疲れたのか布団にもぐって熟睡。眠れるっていいことだ、ありがたい。

 夕方、私だけ病院へ。血液検査の結果を聞いて、薬をもらってきた。腎臓の数値は、悪いままの急激な変化なし。肝臓は上がっていたが、これは呼吸困難の時に使ったステロイド剤の影響で、一時的なものでしょう、また下がります、と。ただリンの数値がまた上がってしまって、測定器振り切りの15以上。いつもの内服薬に、炭酸カルシウムの粉が追加された。これはリンの吸着剤で、ご飯や栄養チューブを舐めさせるたびに少しずつ混ぜて使う。コバルジンと似ているなあ。帰宅後、さっそく自分で少し舐めてみた。特に味や臭いはしない。栄養チューブに混ぜたら、少し納得いかない様子を見せたけれど、べろんべろんしてくれた。よかった。そういえばいっちゃんは、炭酸カルシウム入りのごみ袋が大好きだっけ。関係ない?

 6〜7:30pm、お留守番。
 帰ってきたら、シェードの中でこっちを向いて箱座り。顔がよく見えて、どきっとした。だいたいいつも、奥に顔を突っ込んでいるからなあ。「いっちゃ〜ん、どうしたの」と猫なで声で聞いても、何も答えない。でもその顔は、明らかにむっとしてる。触ったら、ぴくっとした。目をまん丸に開けて、落ち着かない様子。横に寝かせて、しばらく身体を撫でていたら寝息が聞こえてきた。お留守番、寂しかったみたい。どうしても出掛けなきゃいけない用事じゃなかった。そばにいれば良かった。ごめんね。
 
 ご飯。お刺身の小さい欠片を2つ。8pm、自ら王様ご膳で猫缶をはぐはぐ、6g食べた。
 点滴をはずしたのに、お水を飲まない。今までは点滴をやめると、2〜3時間後にびちゃびちゃ飲みだしたのに。哺乳瓶で少しでも飲ませようとしたけど、あまりにも嫌がるので断念。明日からは飲んでくれるかな。

 今夜から皮下輸液再開。背中の炎症再発を防ぐため、1日に1回だけ、今までとは位置をずらして、背中の横っちょに針を刺すことに。今までは1回60ccだったけど、回数を減らす分、シリンジに吸えるだけ吸って1回約70cc。それでも、また炎症が起きたら・・と思うと怖くて、くりくりに注射を押し付けた。さらりと引き受けてくれたが「横だと皮がつかめないよ〜」などと言っておたおたしてるので「つかめるよ、ほら」とやって見せたついでに、そのまま自分で注射しちゃった。あんな背中の横に刺しても、べつに痛くなさそうだった。よかった。

5月17日 ケー 3回鳴いた 
 朝、仕事に行く前にチューブべろべろ。いつもと変わりなし。
 6:30am、体温36.7℃。

 帰宅8pm。いないあいだの様子。
 お刺身は食べなかった。お水も1回しか飲まない。猫缶は自分から1回、6g食べた。昼間、おもらし1回。7pm、体温36.2℃。

 夜、王様シェルターの中で小さく鳴くいっちゃんの声を3回聞いた。かわいい、いつまでたっても赤ちゃんみたいな声だね。今日は3回も聞かせてくれるなんて、気分いいのかな。

 ご飯の少なさはいつもだけど、お水を飲まないのは困った。脱水になっちゃう。水のお皿を口元に近づけても、いやいやばかり。無理矢理口に入れても、飲ませた以上の水分を涎で出してしまう。意味なし。

 9pm、体温35.3℃。今日は雨模様で気温も低い。猫こたつの電源を入れた。いっちゃんはすっかり変温動物になってしまった。

 11pm、ケー。猫こたつが暑すぎた?電源を切ってカイロと掛け布団2枚にした。気候が安定しなくて、温度調節が難しいなあ。

 12am、自分で歩いてトイレへ。

 3am、猫こたつの電源を入れて寝た。明日の朝、起きたら切ろう。

5月18日 うんこちゃん ケー 
 8am、体温35.4℃。温度調節をこまめにしてくれるように、くりくりにメモを残して、猫こたつをつけたまま出掛けた。

 仕事に行く前、8amと9amに栄養チューブ。いつものように元気にべろんべろん。寝る前に置いておいたご飯は食べてなかった。

 帰宅9:30pm。いない間の様子。
 お水は飲まない。ご飯は1回自分から食べたが、その後のうんこちゃんでケー。半分くらいは出てしまったらしい。ああ、もったいない。
 体温2pm、36.3℃。5:30pm、37.4℃。
 おもらし1回。

 私が帰宅したとき、もう4回もふんばったのに、うんこちゃんは中1個が出ただけだった。でかくて出口でつかえてるらしい。お腹の中にはまだまだたんまり残っている。くりくりとお腹マッサージを代わった。始めて5分でふんばってくれたが、確かにでかくて出ない。綿棒で崩しながら少し出した。そのあと3回、いっちゃんは頑張ってくれたが、総量で中1個がせいぜい。もう王様、ぐったりで眠ってしまったのでやめ。血便はなかった。

 05/19(月) 通院・留置針を抜いた 2.55kg うんこちゃん ケー
 睡眠中のご飯、6g。体温36.2℃。今日も雨で気温が低め。猫こたつを入れておく。
 
 お昼に先生から電話。様子に変わりがなければ、今日、点滴用の留置針を抜くので連れて来てくださいとのこと。

 夕方、病院へ。診察台に寝かせたら、自分であたふたと起き上がって、お座りした。意外と元気。病院に来ると緊張のせいで、家にいるより元気な感じ。
 留置針を抜くのに粘着テープを剥がすとき、いつも激しく怒るいっちゃんが、今日はうんともすんとも言わないでされるがまま。やっぱり元気じゃない。
 体重2.55kg。恐れていたよりは減っていなかったが・・これ以上痩せたらマズイ。栄養剤だけで維持してる体重だね。

 病院からの帰り道、自転車でつい急ブレーキをかけてしまった。いっちゃんがキャリーの中で動いたので、中をのぞいて確認。うあっ?横向きに寝ているはずなのに、顔が真上というか、鼻の穴が空に向いている状態。首から下はショールが掛けてあって見えないが、いったいどんな格好になっているんだ。猫の寝姿としてはかなり不自然じゃないか、それ?「いっちゃん」と声を掛けたら目をぱちぱちさせたので大丈夫そうだが、怖い。ゆっくり急いで帰ってから、ショールを取った。身体は横向きに寝てて、顔だけ上に向けて頭をのけぞらせている。どうみても無理な姿勢だが、いっちゃんは特に苦しそうじゃない。君がいいならいいんだけど、見た目が怖いよ。
 キャリーから出して王様シェードに入れたが、すぐに自分で出てきてお膳の猫缶ご飯に突進。ひと舐めしてそそくさとシェードに帰っていった。興奮状態で間違ってご飯を舐めました、って感じ。

 夜、うんこちゃん。3回ふんばってくれたが、今日も出せたのは中1個分くらい。お腹マッサージ中におもらしのおまけ付き。1時間やって、マッサージに反応しなくなったのでやめ。

 皮下輸液をするとき、背中に炎症が起きているのを発見。あああ、ついに恐れていたことが・・・。おとといの夜に注射したところが、前ほどひどくないけれど、5百円玉範囲で赤くなっている。また身体の左側。前の炎症もずっと、背中心から左側にかけてだった。右はなんともない。やっぱり左には注射できない。今日の昼間、病院で、背中の炎症は今のところ大丈夫そうですって言ったばかりだったのに。

 夜の薬を飲ませて、即シェルターに戻した。なのになのに、1分後に2回ケー。まだ溶けていないカプセルがきれいに出た。1時間半後、栄養チューブべろべろ。2時間後、もう一度薬。今度は吐かなかった。いつもこのパターン。だいたい11pm〜1amの間に吐く。夜の薬は12amだから、せっかく飲んでも吐いてしまう。時間、ずらそうかな。朝の薬は吐かないから、夜のこの時間になるとケーのスイッチがオンになるみたい。

 05/20(火) 血便 ケー おもらし 栄養チューブ14 
 朝、ぴちゃぴちゃいう音で飛び起きた。ケーか!?・・お水を飲む音だった。長いこと盛大に飲んでいる。ああ、やっと・・やっと・・お水飲む気になったのね。飲んだ後、前庭でしばらく箱座りしてから、自分でトイレに入っておしっこ。えらいね。

 ご飯チェック。顔を突っ込んだ形跡があったから期待して計ったけど、2gしか減っていない。
 お水も朝飲んで、それっきり。ご飯も食べない。栄養チューブは舐めるけど・・王様、大丈夫〜?

 今日も寒いので、猫こたつの電源は入れっぱなし。それで体温36.8℃。最近では高めといえるが、猫としてはいかがなものか。

 掲示板で、お水をぬるま湯にすると飲みやすいという情報をいただいた。ありがたいことです。さっそく試してみたけど、どうやら問題は違うところにあるみたい。ぬるま湯を入れたお皿を口元に持っていっても、顔を反らせて飲もうとしない。哺乳瓶に入れてもだめ。口元に何かちょっとでも触ると、口をかうっかうっと開け閉めしながら頭をぶんぶん振る。涎を拭くティッシュやタオルでさえ、かうかうぶんぶんで激しく嫌がる。触っても大丈夫なのは私の手だけ。指をぬるま湯につけて、しずくを少しずつ口の横から入れたけど、3滴目くらいで口をくちゃくちゃさせながら涎を出し始めた。気持ち悪くて飲めないのかも。そのわりには栄養チューブは平気で舐める。よく分からんが、困ったなあ。皮下輸液も1日1回だし。脱水になっちゃうよ。

 6pm、台所から部屋に戻ってきたら、猫こたつの奥にへばりついていたのが、お尻をこっちに向けて縦になっていた。あっ、やっぱり、おもらし。おしっこが出るのはいいことだけど、トイレにも行けないほどだるいの?もらしたあと気持ち悪いから、位置を変えるくらいには元気。

 夜、お腹マッサージ。10分でふんばってくれて、中1個ゲット。でも、でも、血が付いてるよ〜。うっすらだけど、綿棒にも付いてる。いつもよりちょっと多いと思う。だって、しみじみ見なくても、赤いのがわかる。綿棒は腸壁に触らないように、すごく注意した。だから中1個しか、かき出せなかったんだもん。小指で直腸にオイル塗っておいたのに。入り口だけじゃ効果ないのかな。血便も怖いけど、そんなに奥まで指入れるのも怖いよ〜。

 びくびくでマッサージ続行。ご本尊が猶予ないくらい巨大になってるから、しかたがない。20分でふんばってくれて、また中1個ゲット。今度は血は付いていない。あああ、よかった。まだご本尊は出ていないから、ちょっと休ませてから再開しようかな。ティッシュを片付けているときに、なにやらくちゃくちゃと不穏な音が・・吐くの?、頭を抱き上げて起こしたとたん、ケーっと。
 朝食べた、ほんの少しのご飯の欠片が出た。もう10時間も経ってるから、口の中に残っていたものでしょう。食べたものがたくさん、口の中に残ったままになってしまう。それが余計に気持ち悪くなる原因だと思うが、拭こうとすると嫌がって涎を垂らすので難しい。涎で水分、失いたくない。
 あとは濃い黄色というか茶色の液。栄養チューブの色か胃液か。もう胃液吐くのも、体液を失うからもったいない。
 4回ケーっとやって、2回は空ゲロ。今日のは特に苦しそうで、吐く瞬間に両方の前脚を口元に持っていって、引っ掻くようなしぐさをした。女の子が大慌てで口元を隠してるようにも、手だけ痙攣しているようにも見えた。
 もうこれ以上、うんこちゃんを出す気力がなくなった。いっちゃんも、食べてないのに体力使っちゃって、カロリーの収支バランスが取れない。

 なんで王様がこんなに苦しい思いをするの?いつか私が死ぬ時に、いっちゃんの苦しいをみんな引き受けるから、今はいっちゃんを穏やかに、安らかにしておいてください。

 皮下輸液。昨夜、炎症を見つけたので怖くなってしまって、どこに針を刺したらいいのか30分も毛をかき分けたあげくできなくて、くりくりにやってもらった。
 針を刺した瞬間、壁の上に貼ってある氷川神社のお札を見上げてお祈りした。毎年母が送ってくれるものだけど、去年から勝手に猫神様にされて、毎日何回もお願いごとされている。氷川様、猫だとか人間だとか担当が違うとか、細かいこと言わずに守ってください。お願いします。

 3:30am、自分でトイレへ。帰りに王様ご膳で焼きかつおを少し食べて帰った。いいぞ、王様、その調子。

ニュー栄養チューブ14本目

05/21(水) ケー うんこちゃん 
 今朝もいっちゃんがお水を飲む音で目が覚めた。午前中は飲むことにしたの?輸液は夜の12時くらいだから、一番喉が乾いてなさそうな時間帯なのに。好きなときでいいよ。とにかく飲んで。ご飯は4g減っていた。

 今日は暖かいので、猫こたつの電気を切って、カイロをはじっこに入れた。フリースの毛布1枚。
猫こたつは、電気が入ってないときは王様シェルターと名称が変わるのだ。

 何回もシェルターから出てきて、ご飯やお水のお皿に顔を突っ込む。ほとんど減らないんだけど、少しは気分がいいんだと思う。今日は顔つきもしっかりしているように見える。おしっこもトイレに行ってした。元気そうなので、5pm〜6:30pmまで雑用を片付けに外出。

 帰ってきて、シェルターの中に手を入れて身体を撫でようとしたら、冷たいものに触った。何?おしっこ、したばかりなのに。ケーだった。昨日と同じ、ご飯の欠片が少し混じった茶色の液。掃除するのに、いっちゃんをシェルターから出したら、いきなり具合が悪そうになっているのに気が付いた。顔がぼんやりしてて反応がない、身体が冷たい。なんで?!つい1時間半前は、元気そうだったのに。とにかくシェルターの中をきれいにして、検温。35.5℃しかない。猫こたつの電気を入れて、温める。

 1時間後、栄養チューブをべろんちょしてくれた。
 
 2時間後、お腹マッサージ開始。すぐふんばってくれて、今日も中1個。そこから先は硬いご本尊で出ないので、お湯浣腸。先っちょが溶けて出たけど、うまい具合にずごっと塊では出てくれなかった。いっちゃんの体調が良くなさそうなので、今日はここまでにしておく。血便なし、ケーなし。しかしなあ、毎日中1個で、ご本尊は持ち越しのまま。そのせいで吐き気がある気も。

 私の外出中、寝たまま吐いたようで、顔の左半分の毛が固まってえらいドレッドになっていた。お湯タオルで拭いたときも、いつもなら嫌がって、特に口周りは拭かせてくれないのに今日は無抵抗のガンジーいっちゃん。お〜い、しっかりしろ〜。

 ぼんやりしてあまり反応がないままだけど、栄養チューブは舐めてくれる。本当にありがたい。おしっこも自分でトイレに行った。頑張ってる、王様。すごいね、えらいね。

 輸液、今日もくりくりにやってもらった。私は隣で祈ってた。くりくりのが上手だと思う。私は怖がりで、ためらうからダメ。

05/22(木) ご本尊たっぷり 痙攣発作
 6am起床。ご飯、全然食べてない。まあね、3時間くらいしか経ってないし。栄養チューブはべろんちょするので大丈夫でしょうと仕事へでかけた。

 10pm、帰宅。いない間の様子。
 お水は少し飲んだ。ご飯は何回か、お皿に顔を入れたけど減っていなかった。栄養チューブはOK。

 そして私が病院代を稼ぐのに労働している間、くりくりは・・くりくりは・・ご本尊を出していた!でかした、くりくり、偉い!なんて見事な家族の連携プレーでしょう。感動的です。

 ゆうべ、掲示板で「猫のお尻の穴に人差し指を入れてほじほじ」という情報をいただきまして、さっそく「それ、やってみよう大作戦会議」が開かれた。そのとき、深爪して指をブラシでごしごし洗っても、万が一にも猫の腸を傷つけたり、爪のばい菌が入ったりしちゃならんから、やっぱり何かで指をカバーしたほうがいいんじゃないか、ということになった。指サックはいまいちだし、サランラップもなあ、手術用手袋があったらなあ・・。薄〜いゴム製の何か・・あっ、そうだ!コンドームはどうだ?薄いし伸びるし、いいんじゃない?
私「でもさあ、指にするには太くない?」
くりくり「太いよね」
私「サイズってあるの?」
くりくり「あるねえ」
私「じゃあさ、薬屋さんで『できるだけ小さいサイズのコンドームください!とにかく一番小さいの!』って言って買ってきて」
くりくり「やだなあ〜(泣)」

 で、今日くりくりはコンドームを買ってきて、人差し指にかぶせ、余った部分は手のひらの中に握り締め、オリーブオイルを塗り塗りし、王様のお尻の穴にずぽっと・・。そのまま指でかき出す事はできなかったそうだけど、それが刺激になっていっちゃんがふんばりだしたので、開いた穴からそれっそれっと、糞隗を綿棒に引っ掛けては取り出し、引っ掛けては取り出しで、親指2.5本分くらいのご本尊を採集成功。所要時間40分。ケーなし、血便なし。大作戦をやり遂げて、男、くりくりの顔は充実感に輝いていた。王様はぐったりされていたが。

 私が帰宅したとき、うんこちゃんで疲れたようだったが、特に具合が悪いようには見えなかった。トイレは自分で行くし、昼間、何度も前庭に出てきて箱座りして、お水も飲んだし元気そうだとくりくりも言っていた。のほほんといっちゃんにチューブを舐めさせ、薬を飲ませ、今夜は私が皮下輸液し、そろそろ寝ましょうかねえと思った矢先だった。

 2:30am、王様シェルターから「がたん!」という音が。いっちゃんが手足をばたつかせて、痙攣を起こした。とっさに口の中に自分の指を入れて、舌を噛まないようにした。それをそろそろとタオルと交換する。今日の発作はいつもより少し長かった気がした。20秒くらい続いたと思う。発作が終わって、目は見開いてまん丸、呼んでも反応がない、まだ身体の緊張が取れきっていないうちに、痙攣というほど激しくはないが、また手足を突っ張らせてかちかちになった。ああ、また来るかと息をつめて見つめたが、それを10秒くらいずつ、2回繰り返して、治まった。

 痙攣発作はもちろん怖いけど、もう6回目なので前ほどはパニックにならない。発作後は一瞬、食欲中枢が壊れるようで、いつもご飯をがうっがうっとむさぼるように食べるから、新しい猫缶を開けた。いっちゃん、さっそく臭いをかぐ。かいでかいでかぎまくる。・・だけ。食べない。さらに違う猫缶を2つ開けた。こっちは完全に無視。

 発作はないほうがいいに決まってる。脳にダメージがあるし、わずかな体力を奪う。筋肉痛にもなりそうだし、窒息の危険もある。だけど、今日の発作の後「もしかしたらこれで、ご飯、食べてくれるかも」と期待してしまった。発作=ご飯のチャンスと思うなんてなあ。違うでしょ。だいたい前回だって、食べたご飯は吐いちゃったし。

 体温36.8℃〜37.1℃ 今日は1回も声を聞けなかった

05/23(金) 通院 2.5kg お刺身食べた 
 痙攣発作警戒態勢で寝ていたが、何事もなくいつもの朝。ご飯、猫缶8g、なまり3g食べてあった。いつもより多い。発作の影響だと思う。寝ている間1回、トイレでおしっこ。「終わった?」って聞いたら「ふ〜ん」と鳴いた。声が聞けてうれしいうれしい。顔つきも大丈夫そう。

 いつもは夕方だけど、昨夜の発作のことがあるので今日は午前中に病院へ。
 必死に再現ドラマ・痙攣編を演じる私に、先生は一言「1回だけでしたか?」と。私が「はい」と答えて、話はお終いになった。えっそれだけ?今、落ち着いているなら特に何かする必要はない、というか何もできないのは分かっているけど、ちょっと拍子抜け。

 待合室で待っていたとき、診察室からひっきりなしに「ひ〜ん、ひ〜ん、ひ〜ん、きゃうん」とわんこの悲痛な声と、先生の「よ〜しよしよし」となだめる声が聞こえていた。そのうち「どんがらがったん!どっすん!!きゃんきゃんきゃん!!!」と大騒ぎに。中で一体、何が行われているの・・?怖い想像しちゃった。そのうちドアが開いて、超元気なむちむちビーグル犬が転がり出てきた。あれ?飼い主さんがお会計しているときに聞こえてきたのは「じゃあ、本日は爪切りですので・・」という看護婦さんの声。・・爪切ってただけ?で、あの騒ぎ?あはは、このむちむちビーグルちゃんもかわいがられて、甘やかされてべたべたなんだろうな。ちょっとあきれて、笑いました。

 帰宅後。今日はちょこちょこお水を飲む。王様、その調子でお願いします。夕方、薬と皮下輸液セットを受け取りに私だけ病院へ。いっちゃんに「15分だけ留守にするから。絶対、私がいない間、発作起こさないでね。絶対だよ。頼むね」とお願いしてから出掛けた。平目のお刺身も買って自転車暴走族で帰宅。

 いっちゃんは、いいこで待っててくれた。お刺身、2欠片食べた。おしっこ、自分でトイレに行く。おまけに小さい声だけど、たまに鳴く。けっこう調子、良さそう。うれしいなあ。昨日の発作は何だったんだろう。

 何回にも分けて、ちょびちょびお刺身を食べる。夜までに6g食べた。たったの6gでも、「おいしい」と感じてくれてたらいいなあ。何か楽しみ、なくちゃね。

 キンチョールのコマーシャルの「つまらん!お前の話はつまらん!!」というのが、ナゼか私のつぼにはまるらしく見るたびに笑ってしまう。いいなあ、こういう爺さんになりたいなあ。
 しかし最近、私がしょうもない冗談を言うたびに王様にこれを言われている気も。
私: 「王様、30歳になったら世界中から取材が来るよ。そしたらうんと出演料ふんだくって・・」
王様:「つまらん!お前の話はつまらん!!」
私: 「いっちゃん、ご飯ちゃんと食べたらさ、宇宙旅行に連れてってあげるよ。コバルジンしょってけば大丈夫だよ。宇宙人、いっちゃんのかわいさにめろめろで、ガニメデ星人の彼女とかでき・・」
王様:「つまらん!お前の話はつまらん!!」

体温、ずっと37℃。いいんじゃな〜い?発作がきっかけになって調子よくなってきた、なんてまさかね。そうだとしたら、すごい荒療治だね。

05/24(土) おもらし ケー 
 いっちゃんがトイレに入った音で目が覚めた。おしっこかと思いきや、トイレを跨ぎこしてあっち側に出て3ぽ歩いて、そのまま突っ立ってる。レスキューするべきなんだけど、ちょっと放置で眺めてた。だって床の上に立ってる王様見たの久しぶり。こんなに遠出(ソファから40cmの距離)したの、いつ以来?ソファの上かトイレの中しか立ってなかったから、新鮮な光景。しかし王様、困りきっているようなので、いい加減レスキュー。トイレに入れたがおしっこしない。ごろんと横になろうとする。そもそもなんでソファから降りたの?また忘れちゃった?抱っこしてシェルターの中に寝かせた。

 抱っこした時に、背中側のお尻のあたりが濡れているのに気が付いた。でも、おもらしもトイレにおしっこもしていない。へ?なんで濡れてるの?おまけに1箇所、えらい毛玉ができている。もつれて固まってどうしてもほどけないので、はさみで切った。私が寝ていた4時間の間に、いったい何をやっていたのだ、王様よ。秘密の任務?

 なんだか元気がない。寝かされたまま、ぴくとも動かない。うつらうつらしている。横になったままおしっこ。濡れたタオルの上で身じろぎもしない。掃除するのにシェルターの外に出すと、寝かせた場所、寝かせたままの姿勢で全然動かない。これって、かなり体調悪いよ!体調レベル0:ご飯は食べないがトイレまで歩いていく。体調レベル-(マイナス)1:寝たままおしっこしちゃうけど、タオルが濡れて気持ち悪いから汚れていないところに身体をずらす。体調レベル-3:寝たままおしっこしてそのまんま。今日は-3だ。ちなみに、そこそこご飯を食べたら+1、充分食べたら+2、かな〜り食べたら+3、その上ぎゃおぎゃおいばりながら部屋を点検して歩いたら+4・・と、どんどん上がっていく。5月3日以来、プラスの日がない。

 体温、ぎゃっ、35.1℃しかない〜!いくら低体温症の王様とはいえ低すぎます!猫こたつのスイッチ、オン。栄養チューブはべろべろしてくれた。20分後、がばっと起き上がりあわてて向きを変え、シェルターの奥の角に顔を突っ込んで箱座り。口元に水あめみたいな涎が見えた。昼の薬の時間だけど、気持ち悪そうなのでそっとしておく。10分おきにのぞくが、涎は出っ放し。吐き気を我慢しているみたい。

 チューブべろべろから1時間後、シェルターの奥に顔を突っ込んだまま吐いた。何も出ない、空ゲロを2回。ひどく辛そうなケーではなかった。それだけでもありがたい。苦しいのはいやだよね。

 3pm 、王様の体調がすぐれないのが気になりつつも、くりくりに任せて父の病院へ。2人とも休みの日ってあまりないので、行ける時に行かないと。いっちゃんひとりでお留守番させられないしなあ。父は自分が具合悪いくせに、いつも私の顔を見るなり「いちはどうしてる、元気か」と聞く。しゃべるのがしんどいのに電話してきて「いっちゃんは大丈夫か」と聞く。父よ、いっちゃんは大丈夫だから、自分が元気になりなさい。

 7pm、帰宅したら、王様は元気になっていた。お水飲んで、ご飯のお皿に顔を突っ込み、トイレに歩いて行く。ヒラメのお刺身を茹でたのも少し食べた。ああ、よかった。よかったよ〜。前庭に出てきて箱座りするし、気分は悪くないみたい。体温7pm、37.1℃  11pm、36,6℃。

 びっちゃびっちゃとお水を飲む王様。派手な音のわりには減っていかない。私が「これ、ちゃんと飲めてるのかなあ。音たてて遊んでるだけだったりして」と言ったら、器から顔を上げてむっとしてこっち見た・・。「あ、飲んでるよね、飲んでるに決まってます、はい」とあわててとりつくろったら、不機嫌そうながらもまたびっちゃびっちゃと・・。いっちゃん、最近は言葉分かるの隠さないね。怒られることがなくなったから、日本語が分からないふりする必要がないのね。

05/25(日) うんこちゃん おもらし ご飯2桁 栄養チューブ15
 7am起床。ご飯、食べてない。様子は特に変わりなし。

 8am〜10:30pm、仕事で留守。くりくりから聞いた今日の王様。
 おしっこ、トイレで2回、おもらしを夕方1回。何度も前庭に出てきて箱座り。お水は何回も飲んだ。ご飯もけっこう食べた。“ご飯記録表”をみたら、私がいない間に全部で26g食べてあった。26g!すごいなあ。12日前にも16gという日があったけど、2桁の日はそれ以来。あれ?16gの日も私が仕事で留守だったときだ。私がいないほうが元気なのかい、王様?前からそんな感じはちょいあったんだけど。私は心配しすぎるから、その気配がいっちゃんに伝わって神経質にさせてしまうのかもしれない。くりくりみたいに適当に放っておいたほうがいいのかもね。

 11pm、お腹マッサージ。お腹に力が入ったと思ったら、おしっこがぴゅ〜っと飛んできた。危うく自分の顔に浴びるところでした。こんなに威勢のいいおしっこするなんて、王様ったら男らしー、素敵です。私が濡れたタオルを片付けている間、くりくりが当然のように黙ってお腹マッサージを続行してくれて、あっという間にそれっそれっと親指2本分のうんこちゃんをかき出してしまった。その間15分。ケーなし、血便なし。ちょっと前まで「おれ、(ご本尊出すの)スランプなんだよ〜」と泣きべそをかいていた人と同一人物とは思えない。自信あふれる態度だ。うんこ神様はくりくりに光臨することにしたようだ。周期的に、くりくりと私の間を行ったり来たりすることになっているらしい。

 夜中またおもらししたが、しちゃった後気持ち悪いので、ちゃんと外に出てきてた。夜の薬も吐かなかったし、体温は37.1℃。今日はいい日だ。

 昨夜はくりくりが布団で寝て、王様当番を代わってくれた。トイレのがさっていう音でなんとなく意識が戻ったけど、起きられずにまた寝てしまって、ちょっとたって顔にふさふさしたものがあたるので目が覚めたら、いっちゃんがくりくりの顔の横で寝ていたらしい。寒いといけないからシェルターにすぐ戻したそうだが、なんだよそれー。王様が隣に寝てくれるなんてうらやましすぎる。トイレに入った後ユーターンしてシェルターに帰れずに、そのまま前進して布団にあがっちゃっただけだろうけど、いいなあ。王様は絶対に私としか寝なくてさ、くりくりがどんなにお願いしてもハナも引っかけてもらえなくて「どうせおれは継父だよ〜」っていじけていたのに。私と寝にいっちゃんが自分から来たことだって、もう1年近くないのになあ。間違っちゃっただけでもうらやましい。その話をしているときの、くりくりの顔や口調がやたらうれしそう&自慢げだったのが、なおいっそう悔しい。

 ニュー栄養チューブ15本目、開封

05/26(月) ケー ぐったり
 睡眠中のご飯、8g。まあまあかな。

 昼の薬、飲んで1分後にケー。「ありゃ〜、タイミング間違っちゃったかなあ。ごめんごめん」と軽いノリで流す。
 体温、35.5℃。顔がひくひくしながらも「ありゃりゃ〜。ちょっといけないでしゅね〜。あっためまちょうね〜」とカイロを身体に近づけた。神経質にならないように神経を使うあまり、言葉が変になってきた。

 王様、ずっとご飯食べない。栄養チューブ以外はいやいやばかり。真鯛のお刺身も爪の垢程度しか食べない。おしっこは4回して全部おもらし。もらしたあと身体の場所を変えていたので、体調レベル−2だなあ。
 昨日から、静脈点滴をはずしてからずっと1日2回だったおしっこが4回くらい出るようになった。回数が増えた分、1回の量は少ない。これはいいことなの?先生に聞きに行こう。

 ベランダに洗濯したバスタオルがずらっと並んで賑やか。ちょっときれいかも。ぎゃおす王国の国旗かな。

 夕方、目薬が切れたので病院へもらいに行った。おしっこの回数が増えたことを報告するの、すっかり忘れて帰ってきた。ああ、私のボケも相当なもの。王様のボケを笑えない。

 皮下輸液、1回目は針が突き抜けて久しぶりの失敗。ごめんよ〜。2回目で成功。病院で言われたけど、いっちゃんは皮膚が普通の猫さんより薄くて、しかも老齢のため皮の弾力がなくなっているので、針を刺すのがちょっと難しいそうだ。同じく血管の弾力もなくて、なかなか針が入らないらしい。
 注射でできちゃう背中の炎症は治まっている。もうこのまま、ずっと治まっててくれ。

 深夜になって、やっとご飯のお皿に顔を突っ込んだ。そうよ、いっちゃん、そうなのよ!心の中で声援。しかし計ったら2gしか減ってない・・。分かった、今日は食べたくないんだな。明日ね。明日は食えよ!頼むよ、王様!!お水はびっちゃびっちゃとよく飲んでくれる。そうよ、そうなのよ、王様!

 いっちゃんがぐったりしているのをいいことに、しっぽの長さを計って遊んだ。25cmだった。けっこう長いよね。最近、なーごコレクションのフィギアについてきたカードで知ったけど、いっちゃんみたいなかぎしっぽ(しっぽの先っちょが、かくっと折れてる)は、短尾と長尾の遺伝子が混ざってできたものらしい。今までずっと、赤ちゃんの時にしっぽを踏まれたのかと思ってた。

体温35.5℃〜36.1℃。なかなか上がらないため、夜から猫こたつのスイッチオン。

05/27(火) ケー おもらし
 昨夜は寝ている間、1時間おきにいっちゃんがトイレに入った。しかしおしっこするわけではなく、そのまま中でごろんと寝そべろうとするので、その度にレスキューしてた。朝もう起きようかと思う頃に王様、前庭で箱座りをしてたので、シェルターに手を入れたらおもらししてあった。あんなに何回もトイレに入ってたのに、おもらし?意味ないじゃん。私の脳みそで考えられる可能性は2つ。
1:トイレに入ると、おしっこしたかったのを忘れてしまい、しょうがないからごろんしてた。それを何回も繰り返しているうちに、膀胱の限界に来てもらした。
2:トイレに入るだけで疲れてしまい、ちょっとごろんして休んでからおしっこしようと思っていたのに、シェルターの中に戻されてしまい、それを何回も繰り返しているうちに膀胱の限界に来てもらした。
 どっちだ?そういえば、抱っこしてシェルターの入り口に立たせたとき、いつもならそそくさずぼっと中に入るのに、動くのを渋っていたときがあった。そうすると2かな。もしかしたらその時点で、もうおもらししてあって、中に入るのいやだったのかもしれないし。わからん。

 睡眠中のご飯、10g。今朝もまあまあ。体温36.5℃、まあまあ・・なのか?猫として。

 お水もご飯も、少しずつだけど何回か自分から飲み食いした。真鯛のお刺身を茹でたのも少し食べた。けっこう調子良さそう。ところが、おしっこはずっとおもらしばかり。夕方、トイレでしたけど、その後はまたおもらしが続いた。調子いいのか悪いのか?わからん。

 11pm、栄養チューブを舐めて15分後、シェルターの奥から「くえっくえっ」と恐怖の声が。抱いて外に出した。ケーっと2回、最初に栄養チューブ、2回目は空ゲロ。胃液やなんだかよく分からない茶色の液(腸液?)は出なかったけど、また前脚で口元を引っ掻きつつ吐く、苦しそうなやつだった。吐いた後、王様、うつろにぐったり。氷川様、やっぱり担当が違うのかな。猫神さまじゃないの?それともケーっが2回で済んだのは、守っていただいてるおかげなのかな。そう思うことにして、なおいっそう力を込めてお札にお祈り。

 皮下輸液、薬は問題なし。体温36.1℃〜36.5℃。低いから温めようとするだけど、暑がって(かな?)すぐ前庭に出てきてしまう。もう気候が気候だし、冬よりちゃんと温めておくことがかえって難しい。

 ご飯、トータル22g。軟らかいペースト状のものやお刺身を煮たのばかりだから、水分補給にはいいけど、栄養的にはなあ。それはチューブで補ってるからよしとしましょう。明日はもう少し食べてくれますように。ケーはいりません。お願いします。

05/28(水) ケー おもらし 栄養チューブ16 
 昨夜の話だけど、(私が)寝る直前に台所にいたら、部屋から「どっすん!」という音が。王様がソファから床に落ちていた・・。げっ、大丈夫?たった13cmだけど、脂肪という名の自前クッションがもう全然ないから、直接骨にひびきそう。抱き上げて身体を点検。なんともなさそうだけど・・落ちたときも落ちてからも、全然鳴かなかった。10日以上、いっちゃんの声を聞いていない。
 今までも何回もソファから落ちたことがある。だからいつも、ソファの下にトイレ(紙砂いっぱいで)かクッションが置いてある。ほんのちょっとの間だからと、何も置かないで台所に行ったら、そのすきに落ちた。油断禁物だなあ。一瞬でも目を離すときはクッション、置くこと。痙攣発作でも起こしてたら大変だった。身体がフローリングに打ち付けられてしまう。

 なんともなかったようなので王様をシェルターに戻したが、すぐに自分から出てきてしまい、前庭で箱座り・・と思ったら、ずるずる滑ってまた落ちそうになった。あやうく抱きとめたが、もしやこれは?前の晩、1時間おきにトイレに入っていたのは、トイレに入っていたわけではなく滑り落ちていたのか?猫こたつが暑くなって、前庭で涼もうとするたびに距離がはかれず崖っぷちで座ろうとして(横になろうとして)ずるずる。・・・ありえる。

 しかもその落ちる様は、なんというか、美しかった。なんかの競技みたい。怪我しないようにきれいに落ちる競技。オリンピックだったら9.7くらいは取れそう。

 ゆうべは王様が少しでも動くと目が覚めてしまい、シェルターから這い出た→前庭で座ろうとし→トイレに滑り落ちる、をつぶさに観察できた。やっぱり・・。暑いのかなあ。体温低いのに。
 空が明るくなってきたころ、よたよた歩いてトイレに入り、これはちゃんとおしっこした。

 睡眠中のご飯、猫缶4gのみ。

 12:30pm〜6:30pm、仕事で留守。その間の王様。
 ご飯、ちょこちょこ食べた。お水も飲んだ。おしっこは歩いてトイレで。
 久しぶりにお日様が出ていい天気だったので、くりくりとベッドで抱き合って日向ぼっこしたそうだ。いっちゃん、毛がふんわかになって気持ち良さそうにうとうとしていたらしい。ああ、良かったなあ。くりくりの役、私がやりたかったけど、いっちゃんが気持ちよかったならいいや。幸せ。

 私が帰宅してすぐ舐めさせたチューブもやる気でべろんべろん。いい感じ。

 7pm、シェルターから出てきて王様ご膳の前でぼーっとしてる。食べなさい食べなさいとふたを取る。でも食べない。代わりにケー2回。1回目、せっかく食べたご飯。2回目、空ゲロ。苦しそう。

 私が帰ってきたら、調子悪くなった!それまではくりくりと、よろしくやってたらしいのに!なんて失礼な王様だ。失礼ぶっこいたままでいいから、あと10年でも20年でも君臨してくださいませ。

 右目の眼底出血の跡がだいぶ落ち着いて、眼球全体が真っ赤というか真っ黒に見えていたのが、いっちゃん本来のきれいな緑が少し出てきた。でも眼球の表面が白い膜を張ったように濁り、一部、しわが寄ったみたいになってる。目やにも、1日に何回も拭かないとすぐ溜まる。もう少ししたら、またきれいな目になるのかな?なったらうれしいけど、目が見えなくて濁ってても、いっちゃんが痛くなかったらいいや。充分かわいいし。

 夜、シェルターから出てきたので中を確認。おもらし発見。シェルターを掃除するのにソファに寝かせて、ついでに王様の顔も掃除。いつも左側を下にして寝ているので、顔の右側が全然拭けない。「ちょっとこっち向いて寝ててね〜」と猫なで声でお願いして、いかにも「いいこいいこ、かわいいねえ」と撫でてるふりをしつつ、素早くお湯タオルで拭く。口の周りががびがびで、ちょいしつこく拭いているうちに「いいこいいこじゃない!お顔ふきふきじゃん!」と王様にばれて抵抗された。ストレスにならないうちにやめ。まあいいや。汚れててもかわいいし。

 昨日からあまり眠っていない感じ。うとうとはするんだけど、すぐ起きてしまう。じっと寝てても目は開いている。どこか痛いの?苦しいの?そんな様子はないけど分からない。猫だからなあ、じっと我慢しているのかも。眠れるようにレメディを勉強しよう。もっと早くからやっておけばよかった。いつもスタートが遅い。

 最後の砦の焼きかつおを全然食べなくなったので、しばらくお休みしてみる。くりくりがお世話当番の日は、いつも何時にどのご飯をいれるか『王様の予定表』に書いていくのだけど、もう私にも何なら食べるのかさっぱりわからない。
私: 「どれか食べそうな猫缶、3〜4個でもいくつでも開けてみて」
くりくり:「え〜っ、どうやって決めるの?」
私: 「猫缶の山をじーっと見つめてね、ぴんと来るやつ」
くりくり:「・・勘かあ」
私: 「いっちゃんを猫缶山の前に連れて行ったら『これ、ぎゃおす』ってぱしっとやってくれるかもよ」
くりくり:「・・・そうだと楽だね」
まったくだ。

 夜の皮下輸液。針を抜いた跡に薄く血がにじんだ。おっといけねえ、消毒綿で押さえて止血のつもり。何秒かたって消毒綿を取ったら、押さえてたところが赤く炎症っぽくなってた。ひ〜っ、猫神様、助けてください〜。エタノールで赤くなった?押さえすぎ?そんなに力は入れてなかったよ〜。5mmくらいの小さいものなので明日には治っててくれるかも。お願いします。後から気が付いたけど、夕べ注射したとこと1cmくらいしか離れていなかった。それが原因かなあ。ひどくなりませんように。

 くりくりに「悪魔と契約して私の残りの寿命、いっちゃんと半分こしようかな」と言ったら「やめとけ、ろくなことはない」とマジな顔で言われた。・・・冗談だってば。


05/29(木) うんこちゃん ご飯34g 
 睡眠中のご飯、4g。時間が短かったせいだと思いたい。
 翌日、家で王様のお世話係に専念するほうが布団に寝るのことにしたので(つまり王様のトイレを頭にしょって寝る)、昨夜はくりくりが布団。なので夜中の様子は分からない。私が起きたときは、普通にシェルターの中にいた。

 6amと7am、栄養チューブ。やる気でべろんちょを確認して仕事へ。

 11pm、帰宅。いないあいだの様子。
 私が出て行った後、またいっちゃんがくりくりの顔の横に来たそうだ。今日はシェルターに戻さず、そのまま布団の中に連れ込んで、腕枕で1時間ほど一緒に寝たらしい。そのラブラブな時間は、おもらしで終わりを告げた(いっちゃんのです。くりくりのじゃなくてよかった)。ということは?二人がいちゃいちゃした結果、今夜私がおねしょ布団に寝るってことね。今日はいい天気で、布団が干せて良かった。いっちゃんのおしっこなんて全然平気だけどさ・・。やっぱりずるくないか、それ?いっちゃんが起きても目が覚めないほうが特典があるなんて。くりくり曰く「前みたくいやがって逃げないからいいよ」ってそれあんた、逃げる体力&気力がないだけだし。まあいいか。くりくりが王様のアシスタント家来として一緒に住み始めて13年。初めて一緒に寝てもらえた記念日だ。今まで何十回、何百回とベッドに誘っても、いつも猫パンチや猫キックをかまされて、うなぎのように、にゅるんと腕から逃げられ続けてきたくりくりも、やっと至福の経験ができたってことね。ちなみに私は、夏以外は「おい、もう寝るぞ」って王様にベッドの上から呼ばれてたんだもんね。ふふん♪ 

 その後、おもらし1回、トイレでおしっこ1回。体温37.1℃。ご飯は、寝ている間の4gと合わせたら、全部で34gも!食べてあった。すごい。やっぱり私がいないほうが元気なんだ・・。くりくりは、私がいると甘えてぐにゃんとなるからだって慰めてくれるけど、どうやら王様のご寵愛はくりくりに移ったらしい。それでもいいよ、元気なら。

 うんこちゃんも、私がいない間、たっぷりくりくりにかき出してもらってた。ケーなし血便なしで30分。・・あっ、それか!ここのところ、私よりくりくりのほうがうんこちゃん堀りがうまいから、ご寵愛が移ったのか。王様の愛は、うんこ神様のご光臨次第?

 片目でいっちゃんの様子を見ながら、これを書いていた。眠っているようなので、台所にビールを取りに行き、冷蔵庫を開けたら部屋から「どっすん」という音が。・・・王様、また落ちてたよ〜。ほんの2〜3秒、目を放したすきに落ちるなんて。しかもいつもは「よっこらしょ」と立ち上がるだけで数秒かかってるじゃないか〜。こういうときばっかり素早く動くのね。で、素早く落ちる。わざとか?と疑いたくなるタイミング。分かりました分かりました、私が悪かったです。ほんの2〜3秒でも、クッション、置きます。お怪我がなくて何よりでした。

 おしっこぱんぱんなので、トイレに入れて膀胱なでなで。しゃーっとしてくれた。

 たった今、お水を盛大に飲んで、ご飯をちょっと食べた。じわりじわりと良くなってきている感じ。不死鳥だ。あっ、今現在、王様の新しい技を目撃中!王様ご膳にせまっ苦しくくっついて箱座りし、首を妖怪じみた勢いでぐぐーっと伸ばして水をびっちゃびっちゃ飲んでる!痩せちゃったから、首が猫にあるまじき細さ、長さに見える。いや、もしかしたら本当に猫又に脱皮中なのかも。さすがです。

05/30(金) 通院 2.45kg ケー 
 昨夜は私が、トイレに滑り落ちてきた王様を拉致&布団に監禁。しかし全く抵抗しないガンジーいっちゃんなので、何のスリルもなし。久しぶりの腕枕、甘美な腕の痺れ・・。浸りつつも冷静に考えたら、私の二の腕は王様には高いんじゃなかろうか。呼吸が苦しくないだろうか。待てよ、くりくり腕のほうが私よりも太いんだから、さらに高すぎってことじゃないか。いかんいかん、腕枕禁止令を出さねば。添い寝するときでも、ちゃんと王様用の枕を使うこと。

 睡眠中のご飯、14g。すばらしい。

 昼間、何回も自分からご飯を食べるしお水も飲む。調子良さそう。

 通院。ここ2〜3日で食べ始めたので、もしかしたら体重が増えてるかも。期待でどきどき。しかし現実は甘くない。また50g減って、2.45kgになっていた。もうこれ以上、痩せるところもなさそうなのに減り続けるものです。いっちゃんは骨格がでかいので、この体重でも脂肪や筋肉は全然ない。まだ食べ始めたばかりだからね、来週は少し増えているよ、きっと。
 診察台に乗せようとしても、ぐにゃんぐにゃんで全然立てない。今日は元気だと思っていたのになあ。
 おとといからの背中の皮膚炎は、もうほとんど治ってるし心配ないそうだ。しかも皮膚炎ではなく、ただの内出血ですと言われた。確かに。紫色の痣みたいになってる。注射のしかたが悪かったわけでもなく、皮膚も血管ももろくなっているせいだそうだ。老化ってことらしい。
 目薬が1種類増えた。眼球の表面がしわっぽくなっているのは、ドライアイのせいらしい。これも老化現象か?。角質を保湿する目薬を出してもらった。成分はヒアルロン酸ナトリウム0.1%のみ。これで毎日4時間おきに3種類もつけることになった。抗生物質・炎症止め・保湿。いっちゃんは目薬、いやがらないけど。ストレスを心配しつつも、これで楽になるならいいな。

 帰り道、キャリーの中でまた鼻の穴を空に向けて、のけぞり状態。怖い・・けど写真取りたい。しかしそのために、1〜2分でも長くキャリーに入れっぱなしにするのは止めておこう。

 帰宅後も、何の問題もなくけだるい午後。平和だ。幸せ。

 いっちゃんを家に連れて帰って、2時間後に私だけまた病院に行って薬&皮下輸液セットをもらい、清算。薬を作ってもらうのも清算にもちょっと時間がかかるから、いっちゃんを病院で待たせるのを最小限にするため、いつもこうしてもらっている。

 帰りに買った真鯛のお刺身は、いっぺんに6g食べた。

 暗くなった頃から、全然ご飯を食べなくなった。くりくりが10pmに帰ってきて、11pmにケーした。今日はくりくりが帰ってきたら体調が悪くなった。最近は昼間は良くて夜になると良くないみたい。夜は気温が下がるせいかな。温めようとすると暑がってシェルターから出てきちゃうんだけど。そういえば、昨日今日と、暑かった日の昼間は調子良さそうだった。

 タイに1週間のロケの仕事が来た。王様の腎不全が分かってから、仕事は生活できる最小限にしているし、泊まりの仕事は全部断っている。しかし今日のは心が動いた。タイは私の第二の故郷。CMだからギャラもいい。いっちゃんがこれほど頑張っているのだから、私は精一杯、仕事を頑張るのが筋の気もした。0.5秒迷って、結局断った。仲のいいところだったから、王様のことを説明して、またよろしくお願いしますと言ったが、果たしてこれは社会人としてどうなのかという気も。家族の誰かがもっと大変な状況で仕事に行っている人はたくさんいる。それが普通。私は自分の都合で仕事を選んでいる。本当は選べるような身分じゃないのは分かっているが、やっぱりいっちゃん中心になってしまう。恵まれていると思う。神様に感謝して、王様のお世話をさせていただこう。

ご飯、36g。その調子でお願いします。あ、ケーはいらんよ。

05/31(土) いい一日 栄養チューブ17 
 昨夜はくりくりが「布団で寝ながら王様当番」だったのだが・・。起きてびっくり、いっちゃんがトイレの中に放置されていた。おまけにくりくりが枕を頭の上にぶん投げていたので、それが王様の頭をトイレの壁に押し付けているという御無礼ぶり。王様のアシスタント家来として非凡な才能を発揮しているくりくりだが、寝ているときだけはどうもいかん。やっぱり私が常に布団でと思ったが、私が仕事に出て行くときには、くりくりにベッドから布団に移ってもらうわけで、どちらにしても「寝ながら王様当番」をやってもらうことになる。もちょっと、意識のある状態で寝てくれ。無理か。

 睡眠中のご飯4g。6:30amと7:30amに栄養チューブべろんちょ。

 7:30am〜1:00pm、仕事で外出。私が帰ってきたとき、くりくりはまだ寝ていた。・・やっぱり。昼の薬の時間、過ぎてるってば。いないあいだの様子、くりくりが寝ていたので分からないが、特に変わりはなかったようだ。

 私の帰宅後もこれといった調子の悪そうな様子はなく、ご飯はちょこちょこ食べるし、トイレにも行った。今日は夜になってからも、少しは食べた。おもらしは1回。

 体温36.3℃。毛布をかけているのだけど、暑がってすぐに前庭に出てくる。そうか、そんなに暑いなら、体温低いけどいいよ、毛布なしにしよう。で、裸のまま(普段毛布を掛けていることが多いので、掛けていないと裸でいるみたい。立ってご飯食べるときも背中にしょってるし。はげてるわけではありません)前庭で寝せていたら、たった10分ですごい勢いでぐるんと180度回転して、ずぼっとシェルターの中へ帰っていった。寒かったらしい。

 今日のご飯、32g。昨日よりは減ったけどケーもなかったし、いい一日だった。少しずつだけど良くなっているの決定。

 ニュー栄養チューブ17本目