チビちゃん@かずかずさんの自宅腹膜透析・体験談

①腹膜透析とは

腹部の腹膜にカテーテルを通し、そこに生理食塩水のような液体(輸液)を注入し、
腎臓や肝臓で処理できなかった毒素を浸透圧の関係で輸液にうつし、回収することで体の毒素を取り除いてやる方法。

チビの場合は、朝5時ごろから30分ほどかけて250mlの輸液をおなかに入れてやりました。
それから、3時間ほどそのままの状態でおいておいてやります。
(その時は、おなかから出ているカテーテルに輸液パックをくっつけた状態になるので、服を着せてやってました。)

その後、ダイニングテーブルのような高い場所に置いてやり、下に空の輸液パックを置いて、重力を利用して輸液を回収します。
#回収には、少なくとも1時間はかかり、その間ずっとそばにいてやらないとダメです。

後で、旦那さんが思い出したのですが、最初の1週間くらいは、一日2回(朝晩)腹膜透析をしていました。

②チビが通院していた病院での自宅腹膜透析の費用

腹膜透析用輸液(抗生剤入特別配合)・・・600円(一回分)
輸液セット・・・150円
エタノール浸しコットンパフ
(自宅で作成し、煮沸消毒ジャム瓶で保存)・・・5円くらい??

これが一回に使用する腹膜透析セットです。
先ほども記載した通り、最初の1週間くらいは一日2回腹膜透析をしていました。

ですので、費用的には一日最大(2回)で1500円程度といったところでしょうか。
価格的には、みなさんが思っていらっしゃるより、かなり安いと思います。

#チビの病院は大阪市内の庶民的な街にあり、価格を抑えているのかも??

ちなみに、通院での一回の腹膜透析の費用は一回1000円+急速輸液1000円=2000円 でした。
↑これでも十分安い気がします、、、。

③透析による感染症の防止策

透析する時は、輸液パックとチビのお腹から出ているカテーテルを輸液セットで、つないで輸液を行き来させます。
その接続部分から、雑菌が感染することが一番恐いのです。

チビの場合、輸液をお腹に入れる時にカテーテルと輸液セットを一度接続したら、輸液を回収し終わるまで接続部分を外さない方法を取りました。
#パックと輸液セットを接続する際と取り外す際は、エタノールコットンパフで消毒してました。

つまり、腹膜透析を開始しお腹に輸液が入った時点でお腹から出ているカテーテルには、輸液セットとパックがくっついている状態になります。
だから、チビのお腹近辺は、なんだかいろんなものがごちゃごちゃとくっついていて、チビにとっては、

「何じゃコレ~!!私のお腹に何がくっついてるの??
邪魔ったらジャマなのよー!キュー!! (o; ̄  ̄)o 」

って感じなんだと思います。
そうして接続している時は、輸液セットの長ーい紐部分でクルクルと輸液パックを巻いて、チビに着せてやった服の中から出ないように入れていました。

服を着せてやるということには、もう一つのポイントがあって、チビが腹膜透析を行っている時は、常にカテーテルがお腹から出ているので、彼女からしたらピローンとお腹から出ているカテーテルにかなりの違和感があったと思うんです。

そのため、後ろ足でお腹のあたりをキャッキャ掻かれたりすると、そこから感染する恐れもあります。
それを防止するために透析を行っている期間は、常に服を着せてやり、お腹を直接引っ掻いたりできないようにしていました。

また、透析期間中は、抗生物質を常に飲ませていました。
これは、お医者様からの処方していただいて、です。
種類は2種類、一日の費用は、260円でした。

透析輸液パックにも抗生物質を特別配合していただいていました。
この透析パックは、あくまでも透析のために配合したものなので、決して点滴には使用しないでください、と何度も注意されました。
#透析は回収することが目的なので、吸収させる点滴とは内容がかなり違うんだと思います。

④腹膜透析で辛かったこと

お腹に入った輸液が、ほとんど回収できないこともある、というところです。
何よりも、これが一番辛かったです。
毎回250mlをお腹に入れているのに、回収できたのは、100mlしかない。。。こういう日もありました。

つまり、まだ回収しきれていない輸液がお腹に残っており、それはそのままだと、毒素として腎臓を通ることになる。
それじゃ、透析の意味がないのに。。。
そう思うと、がんばってがんばって回収しようとポンポンとチビのお腹をたたいてみたり、体制を変えさせたり
2時間・3時間も粘って回収してみたり。

透析を始めた時点ではチビも危険な状態で、暴れたり、動いたり、ということはなかったのですが、
回復してくると、やはり腹膜透析が嫌なのかじっとしてくれることがない。
これもけっこう大変なんです。

毒素を全部回収したいのに、回収できない。
そのことでは、私も旦那さんも煮詰まってしまったことがありました。

腹膜透析は、それなりの時間と労力、ネコチャンの頑張りが必要ですので「意味がない透析だった、、、」と感じてしまうことは、介護人にとって、かなりのストレスになってしまうと思います。

⑤腹膜透析でうれしかったこと

回収した輸液が、濁っていて、満タンに回収できたときです。
それを見れば、透析の威力が一目瞭然です。
透析前にほぼ透明だった輸液が、回収した時には薄茶色く濁っているのです。
まるで、シーシーみたいな色だな、そう思いました。

これだけの毒素が彼女の体内にあったのか、と思うとゾッとするくらいです。
それをこの透析で、取り除いてあげられた。
そういう意味での達成感は、ある意味すごいと思います。

「ウッキョ~!!やったよ!チビタン!!頑張ったね!!!」
って叫びたくなります。実際叫んで、小躍りしてました。。。

⑥心配だったこと

やはり感染症にかからないか、ということです。
特にチビは、伝染性の腹膜炎の検査結果で陽性の反応が出ていたので、いつ発症してもおかしくない状態でした。
その状態で、チビに自宅での腹膜透析を敢えて勧めてくださったというのはある意味、その時点でのチビの状態が最悪だったからではないか、と思います。

幸い、チビは感染症にはかかりませんでした。
私が感染予防について特別に何かをしたり、いうことはなかったのですが。。。
(↑こんな飼い主でごめん、、、って感じです。。。)

彼女は、本当に強靭な体の持ち主だったのかもしれないです。

⑦自宅での腹膜透析をして

最期に自宅での腹膜透析をして、どう思ったかということを書きたいと思います。

私と旦那さんの個人的な意見ですが、、、
やっぱり「やってよかった」感が大きいです。
この腹膜透析で、おそらくチビとの時間が1年は長くなったと思うからです。
お医者様も、そうおっしゃいました。

でも、、、
自宅での腹膜透析は、おそらく、ハイリスクハイリターンな治療なのではないか、とも思います。

チビの場合は、感染症などにもかからず驚異的に回復の方向に進んだので、途中で腹膜透析を中止し自宅での皮下点滴に切り替えることが出来たのですが、ずっと腹膜透析を続けていかなければならかったとしたら、チビも私たちも、かなり厳しいところに来ていたと思います。

結果が目に見えて出てこない場合や感染症にかかってしまった場合、飼い主さんが精神的に参ってしまうケースが多いのではないでしょうか。
又、腹膜透析を行う=かなりのネコちゃんの体力消耗を覚悟しなければなりません。

チビも腹膜透析をした後は、「グッタリ。ゲンナリ。。もう疲れたよ・・・。」
って感じで、「ここまで無理をさせていいのだろうか??」と疑問を感じた時期も、正直ありました。
そういった点でも、やはりハイリスク・ハイリターンな治療だと感じます。

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偉猫伝タワーチビちゃん伝説で、闘病の全過程を読むことができます。

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