皮下輸液の手順・液を入れる
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シリンジ使用@されるがままの猫さんの場合
モデル:いっちゃん@ぎゃおす王国
つままれて三角になってる皮膚の空洞に向かって、まっすぐ針を入れます。
角度が適正でなかった場合、針先が内部で余計なところに刺さってしまったり(上記の、失敗しちゃった例の図です)、 皮を厚くつまみすぎると、内部で針先が余計なところに刺さりやすくなるようです。 針がなかなか入っていかないときは、針先がどこか余計なところに刺さっていることが多いようです。 馴れてくると針を刺した時点で、もし失敗していたら分かるようになります。 |
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針が刺せたら、シリンジのピストンをそっと引いてみます。
抵抗がありピストンが動かなければ成功です。 もしここでピストンが簡単に引けてしまい、シリンジの中に空気が入ってきたら、針先が皮膚を突き抜けて外に出ています。 針先がどこか皮膚の内部に刺さっていると、血がシリンジ内に逆流してくることがあります。 写真では、王様(猫)が動かないように、私の膝ではさんでいます。 |
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ピストンを軽く引いても何事も起こらず、正しく針が刺さっていることを確認したら、今度はゆっくりとピストンを押して液を入れます。 液を入れ始めると針が押し戻されて抜けてくることがあるので、最初だけ翼状針の翼の部分を、そっと押さえながらやると良いようです。 液が入り始めたら手を離しても、もう抜けてくることはあまりありません。 まれにピストンが堅くて押せないことがありますが、これは針先が皮下でどこかに刺さっているようです。 |
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いっちゃんの身体を軽く手で押さえながら液を入れています。 いっちゃんも触られていると安心するようで、大人しくしててくれます。 液が皮の内部に入っているのも触って確かめます。 |
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終わったら針跡を消毒して、抗生物質の軟膏をつけます。 いっちゃんは腎不全が進行していて、免疫力が落ちているので、念のため。 通常であれば、軟膏は必要ないと思います。 消毒も必要ないと考える獣医さんも少なくないので、猫さんの体調に応じて獣医さんと相談されてくださいね。 軟膏は毛に付くと、べたべたして固まってしまいます。 |
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輸液パックから直接@大人しめの猫さんの場合
モデル:ししどさん@薀蓄・雲泥ブログ
麦芽さんの『薀蓄・雲泥ブログ』からパクりました。
オリジナルページはこちら です。
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自然落下ではなく、輸液パックを絞って入れる場合には、どのくらいの量が入ったのかパックの数字が読みにくいことがあると思います。
次ページの、『加圧帯について』の、手秤が参考になるかもしれません。
針のテープ留めに付いて
輸液中に猫さんが動いてしまう場合、針が抜けないようにテープで留めることがありますが、その場合の注意点です。
情報提供者さま:TARUさん
うちでも輸液の時、刺した針をテープで固定しますが、猫が暴れて首を持ち上げたりすると、首の変なところに針が刺さってしまいそうで怖いのでどうしたらよいかと、獣医さんに相談してみました。 すると「テープでは止めないほうがいいですよ。 止めなければ、体を動かす時にいっしょに皮膚の下を動きますから、変な所には刺さりません。 普通の状態なら一度刺したら抜けないし、暴れた時に抜けるのは返って安全なんですよ。」 とのこと。 一度針を刺したら、後は針は固定せずに前に飛び出さないように抑えることに注意すれば良いということです。 それから我が家では色々試した結果、ヤツが首を上下に動かすので、その動きで針が下にずり落ちてこないようにするため、羽の部分ではなく、針の下から10センチくらいのチューブの部分を軽く止めるだけにする形でなんとか落ち着いています。 |
※ 管理人より
猫さんの動きによっては、テープは針ではなくてチューブに留めたほうが安全 なようです。
皮下輸液の量について
輸液の量を自分だけで判断しない。
その日の猫さんの脱水の状態や、毛艶、食欲、ご機嫌などを総合的に見て、飼い主さんが多少の量の調整をするくらいなら危険は少ないと思います。
しかし獣医さんから指示された量から大きくはずれた輸液はしないこと。
何らかの理由があって、大幅に増やしたい、あるいは減らしたい場合には、必ず獣医さんに相談してからにしてください。
例えば分量が多すぎると心臓の負担になりますし、少なすぎると効果が望めません。
自己判断は危険です。
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