ぎゃおす王国記・ラクシュミーの王様への道

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 2004年6月 

2004年06月1日(火)  リアルぎゃおすの危機

夜に帰ってきたときに、3階の部屋の前で大家さんがしゃべっているのを見た。
しばらくたって台所にいたら、今度はお隣の部屋の前でしゃべっているのが、小さく聞こえてきた。
ずいぶん長いこと話し込んでるな、なんだろう・・・と思っていたら、うちに来た。
私は手が離せなかったのでくりくりが出て、やっぱり廊下で長いこと話し込んでいる。
なんだろう、まさか山猫がうるさいと下の部屋から苦情がきたとか?
全部の部屋を回っているみたいだから違うと思うけど、「ペットの飼育は反対ですか?」などとアンケートなんかを取っていたらどうしよう。反対が多くて、次回の更新(今年の12月)ができなかったらどうしよう。

15分近くしゃべっていたくりくりが、やっと戻ってくるなり「立ち退きだ・・・」とつぶやいた。
・・・・・あ、そう・・・・・
ぼそっと口から出たのは、なぜかこの言葉だけだった。いろいろなことが頭に浮かびすぎて、かえってしゃべれない。
くりくりの説明によると、ここ何年か某私鉄会社が線路の拡張工事を進めているが、このマンションも取り壊しになるそうだ。
・・・前は大家さん、ここは大丈夫だって言ってたのに・・・
大丈夫な予定だったけど、トンネルを掘るときに出る土砂の運び出しのための道路が必要で、それをどうしてもここに作りたいらしい。
来年の3月までに出て行ってくれって。引越し費用は某私鉄会社が出すから、直接そっちと交渉するんだって。裏のアパートは、9月にはもう取り壊すって。
・・・ここは大丈夫だって・・・
大家さん、「もうやんなっちゃいました」って言ってよ。
・・・大家さんも頑張ったんだろうね。でも毎日毎日「売ってくれ〜」ってしつこく迫られて、疲れちゃったんだろうなあ。

いっちゃんが10年半住んだ部屋だから、一生ここに住んでいよう、私の寿命とこのマンションが崩れるのと、どっちが先かなって思っていたのに。
それがだめなら、収入の道を算段していつか沖縄に越そうと思っていたけど、今はまだ早すぎる。まだ東京で働かなくちゃ、沖縄に行って一文無しじゃ困る。
でもやっぱり、毎日いっちゃんが眺めたこの風景と離れたくないよ〜。隣の神社の猫神様とも離れたくない。
それに、この家賃でこの広さと場所(駅近い、渋谷まで自転車で15分)、この日当たりと眺め(西の窓からは富士山が見える)は、もう絶対にない。
外廊下の横の桜の樹。毎年いっちゃんと一緒に写真を撮った。他にも梅、桃、枇杷や柿の樹がある。西の窓からは大きい桜の樹や、名前の分からない立派な樹も見える。みんな切られてしまうのかな。
ここを住処にしているヤモリ達は、どこか行くあてはあるのかなあ。
みんな困るよね。可哀そうだ・・・すごく悲しい。

くそう、某私鉄会社め。日頃のご愛顧を立ち退きで返された。
しかし悲しんだり怒ったりしてても、いよいよ落ち込むいっぽうだ。
まさか自分の身に『立ち退き』という事態が降りかかるとは思っていなかったが、物事はいいほうに考えよう。
天使の声:現実的に考えると、拡張工事がなくても一生ここには住めないよ。いつかは出なきゃならないのなら、費用を出してもらって引っ越すのはお得じゃ〜ん。
あくまちゃん:某私鉄会社と話し合いね〜。向こうは交渉のプロだよ。ちゃんと全額取れるのかい?だいたいあんた、OLですらやったことないでしょ。スーツを着た人が苦手で、すぐに威圧されるでしょ。まともに交渉どころか、ちゃんとした日本語がしゃべれるかどうかも怪しいもんだ。けけけっ。

天使の声:まだ時間はあるし、じっくり捜せばいい部屋が見つかるよ。らくが気持ちよく日向ぼっこできて思い切りダダダができる、もうちょっと広い部屋だって捜せるかもよ。
あくまちゃん:断言してもいいけど、ここいら辺では同じ家賃で今以上に広くなるなんてありえないね。しかもあんたさ〜、仕事柄あんまり都心から離れられないじゃん。ちょっと家賃が安くても、それ以上にタクシー代が大変なことになるね。さあ、どうする?けけけっ。

天使の声:取り壊しになるまで住んで、いっちゃんの柱を持って引っ越すのが実現できるね。
あくまちゃん:あ、そりゃいいや。かな〜り計画より早かったけどね。けけけっ。
天使の声:1年前や2年前じゃなくて良かったよ。いっちゃんの負担にならなくて良かった。
それに20年後じゃなくて良かった。年をとると部屋もなかなか借りられないらしいよ。
あくまちゃん:・・・・・

あ、天使が勝った。いっちゃんの柱を抱えて、らくも私も年寄りになる前に、費用を出してもらって引っ越せるのはラッキーだ!いっちゃんとラクシュミーとくりくりと、皆でニュー・リアルぎゃおすにゴー!

あくまちゃんのつぶやき:だ〜か〜ら〜、次の部屋に一生住むつもりかい?また引越しはあるだろ〜。今回で終わりじゃないんだよ、賃貸なんだから。

・・・がっくし。契約も面倒くさいな〜。日本の社会は、『自由業』にたいして風当たりがきつい。
大企業にお勤めしていたって、いつリストラされるかわからないこのご時世。自由業だってリスクは同程度と思うけど、世間の大人たちはなかなか同意してくれない。あ〜あ。

ま、いいや。この部屋にはいっちゃんが導いてくれた。今回は、王様いっちゃんと幸運の女神ラクシュミーがついている。いい部屋が見つかるでしょう。
できればラクシュミーの学名、セタガヤイエヤマネコが変わらない場所でお願いします。

写真:鳩を見つめるらく。口を開けっ放しで、長いこと固まっていた。テレビに夢中になってる小ちゃい子みたい。


2004年06月2日(水)  猫マーク

ほんのちょっと前までは、猫グッズというものにまったく興味がなかったけれど、最近はあれこれ買ってしまう。
食玩やフィギアに、いっちゃんみたいな茶トラ白があると、出るまでむきになって買う。
自転車は猫マーク(王様マーク)だから、プジョーです。
今日は、猫マークだからプーマのスニーカーを衝動買い。
横でくりくりが「プジョーもプーマも猫じゃない〜」などとつぶやいているが、放っておく。
うらやましいから、何か言いたいだけだろう。
どっちも猫ですっ。だって猫に見えるもん。

写真:山猫と猫マークのスニーカー


2004年06月3日(木)  トイレの前に居座る

午前中にらくのトイレ掃除、おしっこ玉を片付けてから労働へ。夜帰宅、ちょっとだけのつもりでベッドに横になったら、3時間も眠ってしまった。
最近では私が寝ていると、らくも足元か股の上で寝ていることが多い。
このときはいなかったので部屋の中を見回せば、隅っこの猫トイレのすぐそばで、猫トイレのほうに頭を向けて箱座りしている。なんでそんなとこに?
らくは『ど真ん中の猫』なので、普段は隅っこにいることなんてない。
抱っこしてテレビの部屋に連れてきても、またトイレの前に戻ってしまう。
おもちゃを振れば、飛びついてきて遊ぶ。ご飯も食べに行く。だけどひと段落すると、またトイレの前で箱座り。
いつにない行動なので、びびる。もうすぐいっちゃんのお引越し一周年なので、王様が戻ってきたのか?テレビの部屋やベッドの上は、いっちゃんに譲っているのかい。
王様はらくが一緒の部屋にいたほうが、喜ぶと思うよ。守ってくれているんだよ。

らくを気にしつつも、またもや早朝の3時4時にがさごそと雑用をして、寝る前にらくトイレの掃除・・・ややっ、全然汚れていない。
帰宅したときくりくりに確認したら、トイレは汚れていなかったと言っていた。12時間くらいおしっこをしないときはあるので、その時は気にしなかったけど、もう朝だよ。くりくりは私が家にいるときには、トイレ掃除をしない。なので、今汚れていないということは、そろそろ丸一日してないことになる。
まさか、したいのに出ないの?それでずっとトイレの前にいるの?
箱座りしているらくは、何かに困っているふうではない。したくても出ないなら、砂をかいたり何かしらのジタバタ行動があると思うけど、トイレのそばにいるだけで、中に入ろうとはしない。

らくを抱っこしてお腹を触ったら、ぽんぽんになっている・・・気がする。脂肪でいまいち分からないけど。
抱っこしたまま、手のひらでお腹を撫で撫で、マッサージのつもり。5秒もしないうちに、ぐるんと身体を回転させて膝の上から走って逃げて、そのままトイレに駆け込んだ。
そうっと付いていくと、おお、ふんばっているではないか。立派なうんこちゃんはお目出度いが、しっこはどうなっているんだ?
うんこちゃんを人トイレに流して、猫トイレに戻ってみれば、おお、今度は構えているではないか。でっかいおしっこ玉を製造して、終了と同時にイエヤマネコ科モモンガに変体し、部屋中を滑空している。
元気だ・・・。ちょっと時間的に、私に都合がいいとはいえないが、元気ならいいや。

写真:普段の『ど真ん中らく』


2004年06月4日(金)  にごちゃん、はーちゃん

昨夜、寝る前に覗いた老猫会で、はーちゃんとはーちゃんのお引越しを知った。
今朝起きて、出かける前に覗いたぎゃおすの掲示板で、にごちゃんのお引越しを知った。
何か書きたいと思ったが、言葉が出てこない。
王様の椅子に座ったいっちゃんの肖像画を見上げて、「いっちゃ〜ん!!」と何回も呼びかけただけで、頭の中がぐるぐるのまま出掛けた。

にごちゃんとくみさん、はーちゃんとはーまま、はーちゃんとはーぽんさんがどんなに頑張ったかを、ほんの少しだけ知っている。
掲示板やメ−ルに書かれていることは全てじゃない。言葉は気持ちに追いつかないが、彼女達が毎日どんなに猫さんのお世話に心を砕いたか、猫さんが少しでも快適になるようにと自分のことは全て後回しにし、大切な命を守ろうとしたかが言葉の端々から溢れていた。
そして今、お引越しを見送って・・・。
生きているものには、必ず終わりのときが来る。もし永遠に生きていたら、苦労の多い世界から抜け出せないということで、それこそ永遠の大変な苦労になってしまう。終わりがあるのは優しいことだ、慈悲のあることだと思うけど、どんな理屈をつけても、大切な命を神様の元にお返しするのは心が痛む。
本音を言えば、いっちゃんや神様の都合を無視しても返したくなかった・・・
1日中答えが出ないことばかり考えて、夜になって帰宅してからも頭の中はぐるぐる、なかなか文字が打てない。

くみさんのにごちゃん、はーままのはーちゃん、はーぽんさんのはーちゃん。家族と一緒に、みんな頑張ったね。獣医さんが驚くくらい頑張った。
今は痛みも苦しみもない、苦労のない世界で楽しく遊んでいると信じています。
私もいつか、あなた達に会えるかな。楽しいことばかりの世界で、いっちゃんが紹介してくれるかもしれないね。その日が楽しみです。


2004年06月5日(土)  王様号のカゴと猫密度

賃貸情報でも買おうと思って本屋に入り、『沖縄移住計画』という本を抱えて外に出てきた。なぜ?
仕方がないので、らくを抱いて3回り、床に降ろした。らくさん、ちょっと考えて、それから西に向かって歩いた。
そうか、西なのね。家移りは西が吉なのね。西部開拓、フロンティアスピリッツを持てということなのね。分かりました。ワイルドウエストを目指しましょう。

仕事が近所のスタジオのときは、商売道具を荷台にくくりつけて自転車で行くのだけど(野菜売りのおばちゃんのようだと言われるが)、王様号には荷台がない。
自転車屋さんに取り付けを頼んだら、王様号には小さい荷台しか付けられないらしい。マウンテンバイクのバラクーダ号も小さい荷台しか付かなくて、無理やり荷物を乗せていたが、王様号のはもっと小さいサイズだった。それじゃどうやっても商売道具は運べないので、残る方法はひとつだけ。『カゴ』である。

私は今まで、カゴ付きの自転車には乗ったことがない。だってカッコよくないんだもん。しかし他に選択肢がない。
結果、王様号ともあろうものが、ママチャリのようになってしまった・・・。くうっ。
しかも「できるだけ大きいの」と頼んだけど、やはり王様号の構造上付けられるカゴのサイズには限界があり(ギアチェンジのレバーに干渉してしまう)、特大のは無理だった。
一抹の不安を抱きつつ帰宅、カゴに荷物をぎゅうぎゅう押し込むも、案の定入らねえ。ち、やっぱりだ。
なんつうか、お約束の結末である。
しかしここで諦めては損なので、斜めにしたり傾けたりで、やっと走れる程度まで荷物を突っ込むことに成功。
試乗!前に重量があると、ハンドルを取られて乗りにくい。ま、慣れればオッケでしょう。それまでは、ゆっくり安全運転するしかないが。

私の商売道具は、ミニマムの構成で13kgである。駅の階段などでは「こんなもん、いらね〜っ!」と捨ててやろうかと思うことはしょっちゅうだが、自転車で運ぶのなら、たいした重さじゃない。ないはずだけど、ずいぶん乗りにくい。
前と後ろに子供を乗せて走っているお母さんをよく見かけるが、たいしたものだと思う。母は強しだと尊敬する。

親戚の法事で、くりくりが静岡に帰ったので、今夜はらくと二人。明日の夜には帰ってくるつもりだけど、家の状況によっては明後日になるかもしれないと言っていた。
いっちゃんの偉さグレードアップお引越し記念日(?)は日付では6月7日だけど、0:30amなので、気分的には明日の夜である。もしくりくりが帰ってこなかったら、らくと二人で迎えることになるなあ。
怖いのか悲しいのか残念なのか、なんとも説明不可能な気分でお花を買った。「ファンタジー」と「パープルミカド」という薔薇。なんて王様にぴったりでしょう。
6月7日は朝から仕事だけど、明日の夜は家でゆっくりしよう。PCの電源を落として、その時間はいっちゃんとラクシュミーといっしょにいよう。

昼間、壁にかけてあるいっちゃんの写真が、いつの間にか一枚床に落ちていた。窓は開けていたけれど、風はそんなに強くない。もっと強風の日に窓を全開にしていたって、今まで写真が落ちたことはなかった。
「ここにいるよ」っていう、いっちゃんからの合図かな。
割れないように、畳の部屋のプラスティック額縁の写真を落とすのは、さすがの王様のご配慮だ。

誰も住んでいないくりくりの静岡の家を、知人の知人の紹介という人に貸していたのだけど、1年くらいで家賃が振り込まれなくなった。田舎の古い小さい家なのでたいした額ではないが、電話を引いていなくて連絡が取れないので心配になって、去年の夏にくりくりが様子を見に行った。
家はもぬけのからで、でっかい仏壇だけ置きっぱなしになっていたそうだ。
家賃を払えないなら払えないで、相談してくれればよかったのにと嘆くくりくり。私も同感だし、とても心配だ。

家を借りていた人は50〜60歳くらいの女の人で、猫をたくさん連れてきていた。貸し始めたとき、くりくりが一回だけ会ったら、家中に猫がごろごろいたそうだ。外には出さない、逃げるからといって、夏なのに窓も閉めっぱなしだったらしい。
2DKの家に20匹以上の猫なので、それこそお風呂場にもびっちり猫のたいへんな猫密度。
その状況に不安は感じたが、「じゃあうちで少し引き取ります」とも言えず(いっちゃんが体調を崩し始めたときだったから)、言っても聞き入れてくれそうな感じの人でもなく、「しっかり猫の面倒を見ろよ〜!」と心の中でつぶやきながら帰ってきたそうだ。

それから約一年後に、もぬけのから(除く仏壇)。お〜い、猫をどうしたんだよ〜!!
あれだけの数の成猫ばかり、引き取り手だってそうそうは見つからないだろう。
心配なので、連絡先として聞いておいた娘さんのところに電話をしたが、うその番号だった。
オーバー20匹の猫を抱えて、どこに行ったの?ちゃんと食わせているのか〜?!
家賃を払えないなら払えないで、逃げずに事情を説明してくれ。くりくりは、猫を抱えて困っている人を、追い出すようなことはしないのに。なんたって、王様直々に教育された家来なんだから。
それにもともと使っていないし、当分は使う予定もない家なので、誰かが住んでてくれてたほうが痛まないのだから。
そんなこんなで、家の状態を確認するのに、くりくりの帰宅日が分からないのであった

cat's catのライムさんが、cats clubの寝ん猫アルバムの一番最初に、いっちゃんの写真を使ってくれた。とても優しい言葉が添えられていて、嬉しくてありがたくて、泣いてしまった。
そしてたくさんの幸せそうな猫の寝姿を見ているうちに、どの子も愛情たっぷりに可愛がられている様子が画面から伝わってきて、また嬉しくなって気持ちがいっぱいになってしまい、泣きながらニタニタ笑った。
誰かが覗いていたら、さぞかし不気味な光景だっただろう。

写真:らくや、君には鳩を見張る権利はある。だけど、なんでわざわざ人が読んでる新聞の上から?


2004年06月6日(日)  いっちゃんのモンプチ、らくのモンプチ

夜くりくりが帰ってきた。くりくりが留守だとテレビの音がしなくて、たいへん静かでよろしいけれど、今夜はいてくれたほうがいい。王様の家来2人が揃っていたほうがいい。
静岡の家は、猫さんが爪を研ぎまくって、柱も壁もぼろぼろになっていたそうだ。うちにも『いっちゃんの柱』があるので、くりくりは煮え切らない口ぶりだったけれど、20匹以上の猫さんが好き勝手に爪を研ぎまくった跡はかなりのものらしく、「もう建物はだめだな・・・」とつぶやいていた。
近所の人の話だと、部屋を借りていたおばさんがいなくなったあと、2〜3人のスーツを着た男の人が何回も来て行方を捜していたそうなので、たぶん借金の追い込みで逃げたのだろうということだった。
家賃の問題ではなかったらしい。人にはそれぞれ事情があって、逃げる理由もあったのだろうが、猫をどうしたのだ。気になる。

夜の11時くらいから、お供え物の用意をした。いっちゃんが最後の日に食べた鯵を焼いたのと、モンプチ子猫の缶詰。
焼き鯵は、食欲がないいっちゃんを心配したサエコポンが掲示板に書いてくれたので、元気だった頃に好きでよく食べていたのを思い出したのだった。
いっちゃんは、量は少しだったけれど、やる気でがうっと食べてくれた。その様子は、いっちゃんは延命治療でただ呼吸をして心臓を動かされているだけじゃない、いっちゃん自身の生きようとする気力が感じられて、とてもとても嬉い光景だった。去年の今日、鯵を焼いたのを食べさせてやれてよかった。

モンプチ子猫は、いっちゃんが残していったもの。好きだったほうの『白身魚&まぐろ味』があると思っていたけれど、ちょっと好き度が落ちる『ビーフ味』がひとつ残っているだけなのを、開けるときに気が付いた。しかも、賞味期限が6月3日で切れている。3日前じゃん・・・。
王様、ごめん。もうお店もやってないし、今日のところはこれで。いつまでたってもヘッポコの家来ですまない。
そういや鯵はこだまさんからいただいた残りだし、モンプチも残りの残り物ばっかりだね。わはは、王様、ごめん。
でもさ、鯵は残りっていうより、すごく美味しいからいっちゃんに食べてもらおうと思って冷凍して取っておいたんだよ。本当だよ。最終的には私とくりくりで食べちゃったけど、本当だよ。

テーブルにお骨と写真を置きお花を飾り、鯵とモンプチと水をお供えして、らくに挨拶をさせようといっちゃんの写真のそばまで抱き上げたら・・・あっ、なんていうことだ。らくさん、テーブルに乗っかって、モンプチ子猫をえらい勢いで貪り食っているではないか。
そんな一心不乱に食べるほど、飢えているわけないじゃないか〜。
うちに来たばかりの頃、何回あげても一口も食べなかったくせに。
いっちゃんがらくのためにモンプチ子猫をたくさん残してくれたようで、ぜひ食べてほしかったのに完全拒否したくせに、賞味期限切れの最後の一個にその態度。
だいたいあなた、もう子猫じゃないよ。体脂肪が気になる成猫です。
取り上げようかと迷ったが、はぐはぐはぐっと食べているラクシュミーの姿に見とれてしまい、まあいいかという気になってしまった。
いっちゃんの代わりに食べてくれてるのかもしれない・・・んなこたねーよ。
分かっているが、元気でご飯を食べてた頃のいっちゃんと重なってしまい、止めさせられないバカ飼い主。
お〜い、腹壊すなよ〜(心配するくらいなら取り上げろ)。
らくさん、3分の2缶を一気食いして終了。

それから空き缶を確認したら、モンプチ子猫はオーストラリア製だと思っていたのに、しっかりアメリカ製だった。BSEが気になると言いつつ、こんなことばっかやっている。いっちゃんのご加護に頼ろう・・・王様、いつまでもすまん。もうちょっとしっかりするように気をつけるから、引き続き守ってください。
注)モンプチの発売元、ネスレ ピュリナ ペットケア株式会社では、『BSE感染の危険のある特定危険部位や牛骨粉は一切使用しておりません』とコメントを出してます。詳しくはこちら

そして、お引越し時間の0:30amになった。泣くのか落ち込むのか乱心するのか自分でも怖かったが、気持ちは落ち着いていた。
らくの『モンプチ一気食い』で笑ったのが効いたらしい。
くりくりが「最後のいちごさんの『ひぃ〜』っていう呼吸の声が、あんまり苦しそうに聞こえなかった。『バイバイ』っていう挨拶に感じたよ」と言った時だけ、涙がでた。
苦しかったと思う。私には苦しそうに聞こえた。でもそのおかげで、自分がお引越しするときのことがあまり怖くなくなった。ぽっくりが希望だったけど、そのときのいっちゃんの苦しさが分かるなら、ぽっくりじゃなくてもいい。
お母さんのお腹の中から出てくるときも、怖かったし苦しかったんじゃないかな。新しい世界に出発するためのプロセスかもしれない。

1年たったということは、いっちゃんとの再会に1年近づいたということで、そう思うと月日が経つのも悪くない。
その一方、ラクシュミーのことを思うと、いつまでも元気で暴れていてほしい、時間が経たなきゃいいのにと思う。
せめてこの世での辛いや苦しいは、すべてなしにしてやりたいと思う(なら、期限切れの猫缶を喰わせるな)。


2004年06月7日(月)  王様のお引越し記念日、あるいは第2のお誕生日

目覚ましが鳴る前に、雨の音で目が覚めた。
今日は以前に日記に書いた、まろちゃんの息子さんの『せなちゃん』のお誕生日。
せなちゃんお誕生日おめでとう、いっちゃん第2のお誕生日おめでとうと声をかけてから労働へ。
諸処の事情により撮影がとんで、スタジオで30分おしゃべりしただけで帰宅。
普段は年に一回あるかないかのできごとが、今年は今日で2回目。一回目はラクシュミーの誕生日で、今日はいっちゃんのお引越し記念日。
そのことを猫好きカメラマンに話したら、「いっちゃんからのプレゼントだ」と言ってくれた。やっぱり?うへへ、きっとそうだね。

帰宅して家の雑用を少ししてPCを少しいじって、眠くなって昼寝。
4時間近く、らくは私の胸の横で一緒に寝ていた。らくの寝場所が、足元から股にきて、今日は胸とだんだん上がってきている。たまに寝ぼけながら目を開けると、すぐそばにらくの寝顔が見えて幸せ。可愛いなあ。

5pm ケー。
夕飯は握り寿司。らくはホタテとボタンエビだけ選んで、あとは興味なし。

早朝の大雨は朝にはあがり、昼には強い日差し。午後はまた雨で夕方には綺麗な青空。
夜は小雨・・・と、忙しいお天気だった。
いっちゃんのことを考えて泣いたり笑ったり、私の気持ちも忙しかった。
今日という日にまことにぴったりのお天気だ。

掲示板で、いっちゃんへの言葉とお花をたくさんいただいた。
いっちゃんは私とくりくりには特別で永遠の王様だけど、よくいる茶トラ白の猫だ。
慢性腎不全はメジャーな病気で、どの猫さんも頑張っている。いっちゃんだけが特出して奇跡を起こしたってことじゃない。
その一年前にお引越しした普通の猫のことを、気にかけてくれる人がたくさんいる。
ぎゃおすは慢性腎不全に重点を置いたサイトだし、日記にしょっちゅういっちゃんのことを書いているからだと思う。
それでもやっぱり自惚れる。
「いっちゃん、すごいなあ。さすがは偉大な王様です。」
いっちゃんの徳のおかげとしか思えない、嬉しい出来事もあった。秘密日記にだけ書くことにする。

写真:世界に向けて発信するには、背景があまりにも汚すぎる台所なので、ちょっと(かなり)ズルしてあります。


2004年06月8日(火)  連続ケー

暑いよお〜。暑くてじめじめした気候は大好きだけど、あくまでも『だらだらしてられるなら』であって、朝から夜まで外で労働するのには向かない季節だよ〜(真冬よりはいいし、仕事があるのはありがたいが)。
部屋の中は暑いかな。らくや、思い切り西日を浴びたまま寝てないでくれよ。今日はカーテンを引いてやれる人がいないんだからね、脱水しちゃうから、日陰で寝るようにね。ちゃんと涼しい場所を見つけておくれ。

帰宅したら、お風呂場でケー発見。ちゃんと涼しい場所にいたらしいのは良かったが、2日連続のケーじゃないか。
内容は大量のご飯なので単純に食べすぎと思うけど、続くと心配になるよ。


2004年06月9日(水)  主張の方法(らく独自)

らくは私やくりくりのそばを歩くとき、いつもちょっとぶつかりながら通り過ぎていく。わざととしか思えない。
いっちゃんみたいに盛大な『すりすりごっちん』はやらないが、これも一種のマーキング、『おまーら、おれのもんだ』という所有権の主張なのか?


2004年06月12日(土)  引っ張ってごめん

ゴマ粒大のうんこちゃんの欠片がお尻にくっ付いて拭いても取れないので、お湯でふやかすことにした。
じゃあじゃあシャワーをかけていたら水圧ではがれてきたので、ぴろ〜と垂れ下がっている欠片を引っ張ったら・・・肛門がちょっと赤くなっちゃった。
うわあああ、ごめんよごめんよ〜。うんこ引っ張ってごめんよ〜。
力は入れてなかったけど、粘膜なのでデリケートなとこだったね。らくは別にお尻を気にしてないようだけど、痛くないかな。
1時間くらいたって点検したら、ほとんど赤みは消えててちょっと安心した。明日のうんこタイムまでに治りますように。


2004年06月13日(日)  ゴミ箱ラブ継続中

朝起きてすぐお尻の確認。赤みはすっかり消えて、なんともないように見える。あ”〜、よかった。

あるある大辞典でフラワーレメディをやっていた。メインではなく、ちょっとした紹介程度だったけど、用途(目的?)に『ペット』という項目もあった。あれよあれよという間にメジャーになってきた感じがする。
レメディやホメオパシー、各種の東洋医学が再評価されてきているのは、たぶん日本だけじゃなく、世界的な傾向のような気がする。
生体を細胞単位まで分解して、徹底的に検査して、全てを数値で表そうとする西洋医学に限界を感じる人が多くなったのか。
悪いところは外科的に取り除き、症状を薬で押さえ込み、ウィルスなどは叩くという西洋医学の治療は、ときには大きな忍耐や苦痛を伴うことがあり(それでも治ればいいのだが)、そういったものに違和感を感じる人が増えてきたのかな。
理由はどうあれ、一過性のブームで終わらないでほしい。
流行のようになってしまうと、しっかりした知識もないまま安易に手を出す医者(獣医)が出てくるかもしれない。お手軽ムードに流されて、素人判断で間違った使い方をする一般の人もいるかもしれない。
その結果、『効かなかった』とか『悪くなった』となれば、評価は下がってしまう。
誰にでも効く万能の薬や治療がないのは西洋医学と同じだけれど、レメディなどがまるで魔法か奇跡のように報道されてしまうと、期待通りじゃなかったときの反動が大きいように思う。
西洋医学にもホリスティックなものにも、どちらにもいい面とあまりよくない面、得意不得意はあるだろう。補い合えればいいのになあ。
できるだけ苦痛の少ない治療法を探ってほしいと思う。

ちなみに番組のメインテーマは『老後(の生活)』だった。うちは破綻もいいとこだ。ま、分かっていたけど。ははは・・・。
らくの快適を守り通せれば、それだけふんばれたらいいや。

らくや、もういいかげんにゴミ箱に興味はなくなったのかな?
実験してみよう・・・ぽいっ(ゴミ箱にゴミを捨てる)
2秒後の様子は写真の通り。 空だとちょっかいを出さないくせに、ゴミを捨てたとたんに直行するのはなぜ。


2004年06月14日(月)  サーバートラブル(またかよ!)

今日もサーバーダウンで、2時間半繋がらなかった。どこでも多少はあるだろうが、ここは月平均1.5回はあるぞ。多すぎないか?乗り換えるぞ、こら。
と思いつつ初期設定費用が高かったので(月費用は安い)、最低1年は使わないと元が取れない気がするよ。むむう。


2004年06月15日(火)  上目遣いの黄金うんこちゃん

昨夜掲示板に、かよさん手作りの可愛いご本尊が登場した。上目遣いの金のうんこちゃんで『金運上向き』・・・。わっはっは!非常にウケた。これからの引越しに備えて、まさしく金運は欲しいところ。
健康なご本尊のご利益もあるに違いない。食べるのは大事だし、出すのも同じくらい大事。BBSに来てくれた人達の猫さんが、健康で気持ちのいいうんこちゃんをしてくれますようにと、かよさんに無断でさっそく壁紙に加工した。

スーパーで豆鯵を見つけ、大喜びで突撃。目を皿のようにして、なるべく小さいのばかり入っているパックを狙う。最近は見かけるのは小鯵ばかりで、豆鯵は久しぶり。20匹くらいで150円というお値段も素敵。
らくは大喜びで5匹食べた。焼いた鯵は食べないのに、生は好きだね。本当は火を通したほうが安心な気がするけど、たまにだからいいよね。美味しいは楽しいもん。
mooちゃんも豆鯵食べているかなとスーパーの鮮魚売り場で思い、mooちゃんも美味しいを楽しんでてくれますようにと、夢中で食べているらくを見ながら祈った。

取り寄せた国産自然食フードのサンプルに、コピーが入っていた。
「猫がエサに飽きてしまったと飼い主が勝手に思い込み、猫を病気にしてしまう。一貫して同じフードを与えろ。エサを食べなくなったら、すぐに下げる。おなかがすけば必ず食べるから」という内容だった。
健康な猫ならということなのだろうけど、その通りかもしれないけど・・・いくら素材が良くたって、原材料はせいぜい30種類くらい。それのみで猫の健康が一生涯保てると、何を根拠に主張するのか。
パンダやコアラなら、同じものを食べ続けるのはありかもしれないね。でも猫は?
『このフードだけを与えろ』と言い切るからには、猫の生涯を通じて、あるいは世代を追っての健康調査ができているのだろう。20年以上生きる猫も珍しくないことを思うと、最低でも20〜30年は研究調査をしているはずだが・・・そのフードメーカーはここ2〜3年の間に出てきたものだが・・・してるのか?

仮に、しているとしよう。このフードのみで、猫は健康で長生きが実証されたとする。
しかし家族、保護者、父兄、呼び方はなんでもいいが、飼い主の気持ちを無視していると思う。
『食べなくなってもそれしか与えなければ、お腹が空いて食べます』・・・飼い主の勝手な思い込みじゃなくて、そりゃ飽きてるんだって!飽きるというのは、身体が「違うもの食わせろ」とサインを送っているのだと思うのですが。
ま、そこは譲って、飽きがただの我がままだと更に仮定する。餓死するまで頑張る猫はいないだろうが(たまにはいるかも)、美味しいの楽しみがない猫生になってしまう。
このフードメーカーあるいはショップから、バカ飼い主、愛情のはき違い(実際にコピーに書いてあった)と言われても、猫が美味しそうにはぐはぐ食べる姿が嬉しい飼い主は、私だけじゃないと思う。そういう家族の気持ちを、まったく思いやっていない。
猫の習性を考慮に入れていない印象も受ける。これを書いた人は、猫と暮らしたことがあるのだろうか。

そして一番分からないのは、このコピーと共に『食べさせ方の工夫』という紙も入っていて、そこには「お客様の事例を紹介いたします。現在ご使用のフードや手作りとの混合など、経験を生かしながら与えていらっしゃいます。ご参考になれば幸いです」と書いてある。
あの、いったいどっちなんですか?猫が嫌がってもこのフードだけ与えるようにしたほうがいいのですか?それともいろいろ混ぜてもいいのですか?

注)健康に問題のない猫を対象に書いた駄文です。なんらかの疾患がある猫さんには、違う対処(療法食をあの手この手でなんとか食べさせ続けるなど)が必要な場合があるでしょう。


2004年06月16日(水)  期限が切れてます

今日はイサキのお刺身だけど、まったく興味なしで食べない。
豆鯵5匹は、大喜びで一気食い。

猫缶の山を整理していたら、賞味期限切れのものがけっこうあった。買ったけどなんとなく食べなさそうな感じがして、開けるのを先延ばしにしているうちに終わってた。主にアニモンダのアルミパック。
食べなくて処分するならまだしも、期限切れで捨てるなんて。うちにそんな無駄をする金銭的余裕はない。ないはずなのに、期限切れの人メシも、しょっちゅう冷蔵庫から発掘される。あああ〜。

写真:なんでそんなややこしいところで、わざわざ西日に当たりながら寝ているの?


2004年06月18日(金)  金運子ちゃんのご到着!

かよさん手作り、上目遣いのうんこちゃん、黄金のご本尊様が届いた。
かわええよー!!むちゃくちゃご利益があるに違いない。
大事にします。ありがとうございます。


2004年06月19日(土)  てんさんの豆本

くりくりと敵情視察に行ってきた。まずは今のマンションを管理している不動産屋から。
敵は「あ〜。○○マンションから越すのはきついねー。安いからねえ。けっこう広いし。」とさらっと言う。
あ、そうですか・・・。そこを粘って近くの物件をひとつ紹介してもらったが、むちゃくちゃおかしな部屋だった。40uくらいの狭いマンションの部屋なのに、掘りごたつがあり、広めのサウナがあり、お風呂場の他にシャワールームがある。4畳とか無駄な長細い通路とかばかりで、どういう構造なんだか、間取り図を見てもさっぱりイメージできない。部屋の半分はプレハブで、テラス部分に無理やり増築してくっ付けたのでそうなったらしいけど。
マンションのゴミの管理をしてくれたら、家賃が1万円引きだそうだ。
ウケは狙えそうだが、めちゃくちゃ住みにくそう。らくがダダダできないし、却下だね。
なにか出物があったら連絡をもらうことにして、次に行く。

入り口にでかでかと『ペット好きの専任スタッフがいます。ご相談下さい』と貼ってある不動産屋。
広告に偽りなしで、ペット可物件の膨大なファイルがあったけど、条件に合うところはなかなか難しい。
ペット可でも、小型犬のみというところがけっこう多い。不動産屋は「これは犬ですと言い張れ」とか「猫に犬の着ぐるみを着せておけ」とか、挙句の果てには「ここはペット不可だけど、ワンフロア1世帯だからバレないよ」とか言い出すし。
最初の2つは冗談だけど、最後の「バレないよ」は目が本気だった。
怪しい店ではない。駅前のちゃんとした構えで、スタッフがたくさんいるし、お客さんも次々入ってくる不動産屋である。
時代は変わったなあと思った。ペット不可物件で犬や猫と暮らしている人が、たくさんいるってことかもね。よっぽどうるさい大家さんじゃなかったら、きちんと家賃を払って迷惑をかけなかったら、黙認してくれるってことかしら。
でもラクシュミーを日陰の猫にしたくないので、どうしてもなかったらそのときは考えるけど、できれば猫可の部屋がいいなあ。
そこでも良さそうな物件があったら連絡をもらうことにして、店を出た。

どっと疲れたけど、なんだか不動産屋さんに遊んでもらったみたい。コーヒーを出してもらっていっぱいしゃべって、お互いにバカなこと言って笑ったりして。
昔は「職業はフリーの撮影関係で・・・」などと言った途端に警戒されたし、髪が腰まであるくりくりなんか、店の入り口を開けただけで「うちにはないよ!」と追い返された。
普通に対応してくれても歓迎されていないムードが伝わってきて、不動産屋って怖かったけど、今日のところは親切で気さくだった。
時代は変わったなあ。

帰宅後、いったいうちはいくらまでなら家賃が払えるのかという話になった。普通は最初にでる話題のような気がするが。
その流れで、初めてくりくりの収入を聞いた。
・・・びっくりした。一緒に暮らして16年くらいだけど、全然知らなかった。
この家の大黒柱は、間違いなく私だった。そういやくりくりは家賃半分以外、ほとんど何も出していない。日用品の買い物も、ほとんど全部私が買っている。くりくりはケチといってもいいくらい無駄使いをしないのに、お金がないらしいのが不思議だったが・・・。
まあいいけど。お互いに丈夫で健康な身体があって良かったよ。しみじみ。

てんさん手作りの豆本をいただいた。本の装丁も可愛いが、お話の内容が素晴らしい。
普段は全然本を読まないくりくりが一気に読んで、感動していた。商品として売っている物だと思い込んでいるので、てんさんが作った本で、てんさんが創ったお話だと教えたら驚いていた。
くりくりの勘違いも無理はない。優しくてちょっと悲しくて可愛らしい、とても素敵な物語。どうやって創るのかな。
てんさん、すごすぎ。充分にプロで通じます。そこらのプロ以上の才能です。
大切にします。ありがとう。
てんさんのHP、猫屋自慢亭はこちら


2004年06月21日(月)  寝相ニューバージョン

びゅうびゅういう風の音で目が覚めた。最近はいつも私の股に乗っかって寝ているらくが、今日は左横で、私の脚に両手でしがみついて寝ている。たまたまそういう姿勢になっただけだろうけど、「今日は仕事に行かないよ、うちにいるから大丈夫だよ」なんて話しかけたり、お留守番らくの様子を想像して勝手にせつなくなったり、寝起きから忙しい。だってらくの姿があんまり可愛い。

風の音がびゅうびゅうがたがた、かなりうるさいのに、らくは平気。いつもと同じく食べて飲んで遊んで、台所仕事を監視して、仰向けバンザイでのびのび寝ている。何も気にしていないらしい。いいのか、それで?台風だぞ。猫として、そこまで天下泰平でいいのか?
外で暮らす猫さん達も、ちゃんと安全な場所に非難しているかな。安心して寝られる場所がありますように。

玄関ブザーがビービー鳴って、某私鉄会社の人が玄関先に突然現れた。何の心構えもなかったので焦ったが、7月3日に立退きについての話し合いに来ますという手紙を持ってきただけだった。それだけなら、台風の中をスーツ着たおっさん2人も寄越すなよ〜。びびるじゃないか。
それに 3日は仕事だよ。くりくりは休みだが、この部屋の契約は私の名義になっている。くりくりだけじゃいかんでしょう。二人揃っているときに来ていただかないと。
先方に連絡を入れなくちゃ。あ゛ー面倒くさいっ。

早朝と昼間、またサーバーが落ちた。早朝は「落ちてるよ〜とほほ〜」と寝てしまったので、どのくらいの時間、落ちていたのか分からない。昼間は30分くらいだった。
むかっときた勢いで、メールを出した。「いくらなんでも落ちすぎです。乗り換えを検討しています」
返事がきた。「いろいろ対策して参りましたが、ご指摘のように、 なかなか収束せずにいる状況です。ご迷惑をおかけします」
・・・乗り換えに本気なったぞ。「今後はこのようなことがないように・・・」という返事だったら、まあそうねーもうちょっと様子をみましょうかーと思えるけれど、サーバー会社が『とほほ〜』と言ってきた。安心も信用もないじゃない?
さっそくと思ったけれど、あいにく明日から労働トライアスロンに突入するので、細かい手続きや動作チェックをする時間がない。
仕事が一段楽したら、即刻乗り換えるぞ。

写真を撮るために、腎不全用の猫缶を2種類開けた。
1つめ、ディーンズの低蛋白フード。おわっ、こんなんなってるのね。ちょっとすごい。
らくや、ちょっと試食してごらん・・・ぺろぺろと2〜3口だけタレを舐めて、あとは放置。好きじゃないらしい。
2つめ、ヒルズのk/d。あ〜、この匂い、この感触。怒涛のように情景や感情がフラッシュバックし、背後に忍び寄る怪獣うぎゃん。うう・・・負けるもんか。
さて、らくや。これも試食してみるかい?山猫はちょっと臭いをかいで、そっぽを向いた。どうやら食べ物と認識しなかったらしい。

マンション横の電線に、神社から飛ばされてきた枝やら蔓やらがごちゃごちゃと絡み付いて垂れ下がり、ジャングルクルーズのようになっている。マングローブの林ですか?熱帯雨林好きなので、嫌いな感じじゃないです。でもこれ、大丈夫っすか?

写真:シングルのマットレス幅と、ほぼ同じ長さのらく。


2004年06月22日(火)  エアコンつき留守番

2004/06/22台風一過。太陽はやる気まんまんで、早朝からパワー全開ぎらぎらです。
窓を開けたくらいじゃ太刀打ちできないので、ドライを入れっぱなしで労働へ。
らくさん、今年初めてのエアコン(冷やすほう)つきの留守番。

写真:らくは、私が起きてもかまわずに寝ている。いっちゃんは私に付き合って、必ず一緒に起きてくれたよ。
まあいいけど。カワイイらくの寝顔で、働く気にもなるってもんです。(うそ。本当は、「ああ〜、このままらくと寝ていたい〜」と、労働拒否したくなる)


2004年06月23日(水)  冷房じゃなくて

2004/06/23らくは今日もエアコンと留守番。先に帰宅したくりくりが、帰ってきたら部屋が寒かったと言っていた。リモコンが記憶している設定を確認したら、ドライじゃなくて冷房になっている。朝あとから出かけるくりくりに、ドライをつけていってと言ったのに〜。
うちのエアコンは電源ボタンを押すと、そのときの気温や湿度によって機械が運転モードを判断する。気温が高いと、自動的に冷房がかかってしまう。
だ〜か〜ら〜、『ドライに切り替えて』って念を押してメモにも書いたのに。
ま、寒ければベッドの部屋で寝ているだろうし、大丈夫だったでしょう。暑いと逃げ場がないから、ちょっと寒いほうがまだましかな。

写真:労働に出かける前の、ベランダでのひととき。まっ昼間は暑すぎるから、朝がちょうどいい。


2004年06月24日(木)  猫のご指名

2004/06/24よく一緒に仕事をするカメラマンは、なぜか猫好きばかり。今日もそのうちの一人。
彼の部屋はマンションの1階で、いつの間にかベランダに猫が通ってくるようになった。
昼間は姿が見えないが、夜になると戻ってきて朝までベランダで過ごす。
毎晩来るので、キャットフードを買ってきて与えるようになった。お水の器も用意した。
ベランダの隅に雨風が防げる箱を置いて寝床を作ってやったら、すんなり中に収まってくつろいでいる。
ある晩、窓を開けておいたら、当然のような顔をして部屋の中に入ってきて、彼の枕元で寝た。
それからは彼の帰宅を駐車場で待ち構えていて、にゃあにゃあ鳴きながら一緒に部屋に帰ってくる。帰宅が遅くなるとベランダの猫ハウスで待っていて、お出迎えは欠かさない。
朝、彼が仕事に行くとき、猫も猫の仕事をしに、一緒に部屋を出るそうだ。

毎晩一緒に布団で寝るので、あんまり汚れているときにはシャンプーをする。
風邪を引いたと獣医に担ぎ込む。
膝に乗せて、ツボマッサージで猫をぐにゃぐにゃに喜ばせている。
ロケで何日か留守にするときは、ベランダに自動給餌器と自動給水器をセットしていく。それでも心配で、帰ってくると近所の人に、留守中の猫の様子を聞いて回ったりしている。
そのカメラマンはいつも最後に、「飼ってるわけじゃないんだけどな〜」とニヤケた顔で言うのであるが・・・

散々ノロケ話を聞かされたあげくに、そんなこと言われてもなあ。
そういう関係に陥ってしまったら、飼っているとか野良だとかの区別はもう無意味では?
彼はもともと、動物は好きじゃなかったというか、特に何の興味もなかったらしい。
しかし猫に指名されて、嬉々としてお世話係を務めている。全てはお猫様の計画通り、まんまとはまって喜んでいる。

らくとまだ出会う前に、里親募集中の子猫ちゃんに会いに高円寺に行ったことがある。
保護主は若くて可愛らしいカップルで、昭和な感じの木造アパートに住んでいた。
ある日突然、開けっ放しだった玄関から猫が一匹入ってきて、部屋の中でくつろいでいったそうだ。
「こんにちは」や「お邪魔します」や「入っていいですか?」などの挨拶は一切なしで、さも当然の態度だったらしい。
まだ子猫だった頃から近所でたまに見かけていた猫だけど、声をかけたり餌をあげたことはなく、なんでうちにと不思議に思ったそうだが、迷惑なこともないので放っておいた。
それからその猫は、毎日窓からやってくるようになった。
そのうちお腹が大きくなって、ついこの前まで子猫だったのにもう妊娠ですかと驚いているうちに、部屋の押入れでこれまた当然といった態度で出産してしまった。

部屋の提供者が呆気にとられているうちに、子猫たちはちゃくちゃくと育ち、離乳がはじまる。親猫は1日2回ほど授乳に通ってくるだけで、ほとんどの時間を外で過ごすようになる。さらに発情期のような声で鳴き始めので、はっと我に返った彼女達は慌てて獣医さんに親猫の相談をし、子猫の里親募集をかけたというわけ。
もにょもにょ動くチビたちはとても可愛く、みんな里子に行っちゃったら淋しくない?と聞いたら、「親猫がいますから。不妊手術をしてずっと面倒をみます」という答えだった。

彼女達も、猫に『キミたち!びしっ!!』とご指名されてしまったとしか思えない。
こういう話を聞くたびに、猫は人まちがいをしないと思う。偶然ではなく、ちゃんと人選しているような気がする。
空き地で猫集会のときに、情報交換もしていそうだ。『3丁目の赤い屋根の家はチョロいけど、オレの縄張りだから近づくな』とか。各種の危険情報も、いき渡って欲しい。
道端の猫達は、寝ているふりをしながら、私たちを採点してたりして。『よし』とか『ダメ』とか『採用!』とか。まったく不思議な生き物だ。


2004年06月25日(金)  エアコン、いりますか?

2004/06/25くりくりも私もエアコンが好きではないので、風があるときには窓を全開にして、なるべくつけない。
しかしらくのお留守番が問題です。今日のように雨が降りそうだと窓を開けっ放しで出かけられないし、晴れててもいっちゃんのときのように、全開にしておく勇気はない(なんたって留守番するのは山猫だ)。昼間暑くなってしまったらと思うと、ドライをかけていくしかない。
しかしくりくりは、違う考えのようだ。
くりくりは今日は昼間の2時に帰ってきたそうで、私が「らく、良かったね。お留守番が短くてすんだね」と言ったら、くりくりは「エアコンが早く消せて、寒くなくて良かったな」と言った。
・・・なんだか嫌味っぽい。ドライじゃ部屋は、たいして冷えないよ。万が一寒ければ、ベッドの部屋にいるから大丈夫と思うよ。

くりくりは、いっちゃんが冬は暖房なし、夏は冷房なしでお留守番していたから、そのほうが身体が丈夫になって長生きすると思っている。
そういうこともあるかもしれない。でも、気をつけてやっていたら、もっと長生きしたかもしれない。そんなのどっちだか分からないじゃん。それに、いっちゃんとらくは違う。
いっちゃんのように冷暖房なしで留守番してモンプチを食べていれば、どの猫も長生きするってことではないでしょう。
らくも去年よりは暑いのが平気そうになったけど、お腹の毛などはいっちゃんより長いし。らくにはらくの快適があるはずで、それを少しずつ探しているところなのに。
『山猫の留守番時におけるエアコンの使用は是か非か』で、くりくりと軽く言い争いになった。
主役のらくは知らん顔で、お風呂場に寝そべっている。

写真:労働に行かないで〜、ひしっ!と私の膝にすがる山猫・・・ではなくて、爪を立てられたをうえに噛まれた。撫でようとしただけなのに〜。



2004年06月26日(土)  土曜日はくりくりと

2004/06/26今朝は気温はそうでもないが、湿度が高くて風がないので、結局ドライをつけて家を出た。
くりくりが休みで家にいるので、起きたら適当に調節してくれるでしょう。
らくが暑かったり寒かったりの心配をしなくていいので、楽な気持ちで仕事に行ける。

夜、久しぶりにおしっこのphを測った。中性の7だった。これはいいのか?
帰宅してすぐなので、らくがご飯を食べたのがいつ頃だか分からない。満腹ならペーハー7でもいいのだけど、そのへんどうなのよ。


2004年06月27日(日)  ケー2回

2004/06/27朝ご飯のカリカリを一気食いしてケー。
夜、ホタテのお刺身中2個をゆっくり食べてケー。
吐くほどの量じゃないぞ、どうしちゃったの?不安になって見ていたら、後半にたんまりとカリカリが出た。私が帰宅する直前に食べていたらしい。
それでホタテの食べ方もゆっくりだったのね。お腹いっぱいなら、無理して食うな。


2004年06月28日(月)  夏ぶとり

らくがでかくなった気がする。こんなに大きい猫だったっけ?体重測定した。デジタルの数字は5.4kg。
・・・もう成長は止まったはずじゃ?らくや、春に少し痩せたと安心していたのに、なんで夏に元に戻るの?
このままじわじわと太り続ける気ですか?いっちゃんは7kgあったけど、らくとは骨格の大きさが違う。無闇に体重だけ王様の真似をするのは無謀なんだよ。
しかし結局は私の責任。 ああ、いかんいかん。5.5kgになったら、本当に本格的にダイエットに取り組もう(と、何事もズルズルと先延ばしにする)。


2004年06月29日(火)  威張っても黒ゴマ

らくがしっぽをぴんと立てて、意気揚々と歩いている。
お尻の穴まで丸出しで、黒ゴマ(うんこちゃんのかけら)が見えている・・・見せつけているのか?
そんなにいばった態度で、バッチイお尻を見せてどうすんだ。捕まって拭かれるだけなのに。

写真・お尻を拭かれても懲りません。今度はPC棚のてっぺんで威張ることにしたらしい。


2004年06月30日(水)  ケー4箇所

起きたら台所と部屋のあちこちに、ケー4箇所を発見。私は寝ていて気が付かなかった。ケーで目が覚めなかったのは初めてのような気がする。
うち3箇所はご飯。残り一箇所は茶色の液に(胃液の色ではなく溶けたご飯だと思う)、草やら毛やらがごちゃごちゃ絡み付いている。
いっちゃんにはしたことないけど、らくはヘアボール対策が何かいるかも。
元気に部屋を滑空しているので大丈夫だと思うけど、吐く回数が多いような気がするし。うむむ。

らくが、今食べてるドライ(3種類のローテーション)はもう飽きたという。どれも開封してまだ2週間くらいしか経ってないのに、ほとんど口をつけないで、ひたすら猫缶を待っている。カマンベールチーズの缶を開けても、水羊羹を開けてもすっ飛んで駆けつけて来る。
匂いをかいで、《違う。オレのじゃない》と分かると、がっくりと肩を落とし「みょ〜んんん・・・(お腹すいたなあ・・・)」と力なくつぶやきながら、人ベッドに戻る。
・・・作戦か?作戦だろ?猫缶をもらうための演出だろ?うっ・・・ええい今回だけだぞ、さあ喰え!というのを、今日だけで3回やった(しかも夜、夜中、真夜中と集中的に)。
山猫の技、恐るべし。いつもは1日1回の猫缶タイムを3倍に増やした。

いっちゃんの西の玉座のクッションは、今はくりくりの足置きになっている。
いっちゃんの日向ぼっこの必需品、三角玉座は誰も使わないので、らくのおもちゃ置き場になっている。
どちらもいっちゃんが愛用していた頃は、天気がいい日はいつもベランダに出して陽に当てていたけれど、くりくりが足を乗せるクッションなんて手入れする気にもなれないので虫干しをさぼっていたら、ちょっと臭くなってきた。カビ?
いっちゃんの不在は部屋を臭くする。
いかんです。いっちゃん御用達品はずっと持っているつもりなので、大事にしなくては。これからはちゃんと干すぞ。


 2004年6月 

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